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2015年2月17日 (火)

落ちる

 ホールの椅子に腰をおろしている。
「こういうとき、できるだけ座席に深く腰かけ、背中を背もたれにくっつけて、ゆったりと」と自分に云い聞かせ、そうする。またすぐに、坐りが浅くなり、背もたれと背中のあいだに隙間ができてしまうのだけれど。それでも、かまわない。気がついたら、また、自分に云い聞かせて、やり直せばいいのだ。
 こうして、と云っても最近のことだが、こうしておもてでもよそいきでも、からだに無駄な力を入れないように、練習している。
 盛大な拍手とともにホールでの会が終わった。
 この日のわたしは見学者であったから、会の皆さんに送られ、一足先に退場する。隅の扉のほうに向かいかけるが、誰かの云った「せっかくですから、花道、花道」といういたずらっぽい声に押されて、中央の長くゆるやかな階段を上がることとす。
「せっかくの花道」の両側には、知った顔もあって、わたしはときどき立ち止まってはお辞儀をしいしい上がる。そのときだ。何となく、ウエストのあたりが頼りないことに気がついたのは。
 上着の下に手を差しこむと、ウエストにぐるりとあるはずのスカートが、ない。落ちかけている、スカート!
 仕方がないから、上着の下に入れた手で、スカートのウエスト部分をつかんで、笑顔をつくる。スカートをつかみながら、あちらこちらにお辞儀もし、階段を上がるわたしは、一種の曲芸師である。大事なのは、ここでいちばん大事なのは、スカートを落とさないこと。

 ホールロビーにたどり着いた。

 まったくもって、果てしなく遠い道のりだった。わたしはおもむろに椅子に荷物を置き、コートをはおると見せかけながら、スカートを引っぱり上げ、うしろのボタンをボタンホールのなかに押しこむ。開いてしまったファスナーも上げる。この日着たスーツは、一枚仕立ての気に入りのものだが、出合いは30年以上も前になる。スカートをからだに繋(つな)ぐ命綱は、ボタン1個。ファスナーが補佐役をつとめている。
 ホールの椅子の上で、身を硬くしてはゆったりする練習をくり返すうち、ボタンがはずれたのだろう。
 スカートが落ちてしまっていたら、と考えるとぞっとする。
 しかしあそこでスカートが落ちたなら……その場にいた多くのひとの未来の失敗への励ましにはなったはずだ。「ホールの真ん中でスカートを落とすのより、わたしの(ぼくの)災難、失敗はまだいいほうだ」というふうに。
 スカートのボタンをしっかりかけて歩きだしながら、しみじみ考えるのだ。
 こんなこと、わたしにはめずらしいことではない。
 一歩手前で、落ちずにすんだこともあるし(落ちる落ちないは、比喩であり、災難、失敗の類いを指します)、それより何より、落ちてしまったことにさえ気づかずにいたことも、きっと少なからずあったろうと思う。

 スカートがすっかり落ちてしまわなかったことに、深く感謝して、スカートにも頬ずりをして、わたしはこの日を終える。

Photo

驚きました。
先週、またうさぎさんがやってきました
(この前うさぎさんがやってきてくれたのは、
昨年12月のおわりでした)。
このたびは、ドイツのアンナベルクという小さな町から。
うさぎが、やってきてくれるというのはうれしいですが、
あいだを置かずにね。
不思議です。
ことしは未年、そしてわたしは戌年だよね……と、
思ったりしています。
何のメッセージだろうかしら……と、
思ったりしています。

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「日記」カテゴリの記事

コメント


ふんちゃん皆様こんにちは。
それは、ドキドキハラハラな体験ですね^_^;
でも何事もなく
ふんちゃんが密かにハラハラを
楽しんでるように感じました笑


先日新しい仕事に挑戦してみようと
先輩社員に聞いてみました。

始める前に怖いので
リサーチしておこうと思いまして、と私は言うと
先輩は私は怖がる前にやってましうと言いました。
そして、また忘れないように
何度も挑戦すると。

なんだか、はっと考えさせられました!

投稿: たまこ | 2015年2月17日 (火) 10時50分

たまこ さん

わたしも、はっとさせられました。

怖がる前に、してしまう。
何度も挑戦。

「ほんとうにそうだね」
と云って、たまこさんと手を握り合う感じ。

投稿: ふみ虫 | 2015年2月17日 (火) 10時57分

ふみこさま、みなさま

あまりにも楽しくて、ふみこさまの話、語りの魅力は何だろう
なんて思いながら、こっそり読んでいたけど
笑ってしまいました

来週受験本番な娘にあきれられながら
おちなくてよかったです

いえ落ちても落ちなくても
本番を楽しむが娘の願いなので
笑いはいいですね

ふみこさんは暮らしのアートの職人さんのようであり
噺家のようでもあります
いつも楽しませてくださりありがとうございます

投稿: 真砂 | 2015年2月17日 (火) 11時17分

ふんちゃん、皆様こんにちは。

真砂さん、受験なのに、落ちても落ちなくても本番を楽しむ、
ってすごいお嬢さんですねぇ。

ふんちゃん、もしスカートが落ちてたら、どんな表情されたのかしら。
いえきっと、一瞬落ちても、落ちてない風にやっぱり片手でさっとつかんで、
心でペロリと舌を出してなに食わぬ顔で花道で会釈、でしょうね。
今風に言えば、スカートが落ちましたがそれが何か?にっこり。

ところで、ドイツのうさぎさん、何をなさっておられますのかしら。

投稿: rantana | 2015年2月17日 (火) 13時52分

ふんちゃん、みなさま、こんにちは。

不謹慎ながら、でも誰もみていないことだしと、にやりとしてしまいました。
不謹慎というか、嫌な性格ですが。

とはいえ、自分も社会の窓が全開だったり、出ているべき裾が、トイレを使ってたくしこんだままいたこともあり、他人のことを笑えた義理ではないのですが。

うさぎさん続きですね。
ぼくもうさぎですよ。
干支ですが。

ところで、もも(^-^)さんにお礼をいわなくては。

ふんちゃんにお勧めしていた『フワフワさんはけいとやさん』と『しろくまのパンツ』とっても良かったです。
図書館にいったら、人気があるのか貸し出し中で、予約をいれ、ようやく借りれました。

ほろりとしたり、くすっと笑ったり。

もも(^-^)さん、素敵な本を紹介してくださって、ありがとうございます。

投稿: 佐々木広治 | 2015年2月17日 (火) 14時28分

ふみこさま、みなさま。

うさぎというと、不思議の国のアリスを思い出す私です。
穴に落ちるのでしょうか? 大きくなったり小さくなったりするのでしょうか?

ふみこさん、マッサンじゃないけれど、人生はアドベンチャーですね。
危険な谷底をぎりぎりのところでひらりと飛び越えられたふみこさん!
私ももうじき卒業式があるので、留め具とファスナーのチェックは前もってしておきたいところです。
どんなことでも楽しんでいきたいですね!

投稿: おまき | 2015年2月17日 (火) 19時45分

真砂 さん

落ちても落ちなくても、
本番を楽しむ。

これ、みーんなと共有したい
「志」です。

ありがとうございます、
真砂さんのお宅の姫さま。


投稿: ふみ虫 | 2015年2月17日 (火) 21時15分

rantana さま

ドイツのうささん、
青い玉をかかげ持ち、
いまにも「落としそう」です。

……落としちゃいなさいな。
そんな気持ちで、見守っています。


投稿: ふみ虫 | 2015年2月17日 (火) 21時18分

佐々木広治 さん

日頃思っていることなのですが、
「不謹慎」の優しさってのは、
ありますね。
たしかにね。

「不謹慎」なんか、恐れず、
堂堂と思いやり深く!なんて、
思っておりまする。

あ、わたしも、ももさんお勧めの本を
たのんでおります。
たのしみたのしみ。

投稿: ふみ虫 | 2015年2月17日 (火) 21時27分

おまき さん

人生はアドベンチャー。

そして、ひとのアドベンチャーも支えたい!
応援したい!
と「「密かに」思ったりしております。

留め具とファスナーに気をつけながら、アドベンチャー!


投稿: ふみ虫 | 2015年2月17日 (火) 21時29分

ふみこさま みなさま

おはようございます。
失礼ながら、朝から大爆笑してしまいました。
そして、ホッと安心しました。
ふみこさんにしても、このようなドキドキがあるのですもの。
私の失敗も、どなたかが聞いたら、”わはは!のはなし”になるのだな。
それにしても、スカートが落ちなくて良かったです。

さて、発熱でダウンした先週でしたが。
ふみこさんのアドバイス通りに昼寝をしたところ、
すっかり元気になりました。ありがとうございました。
いつもは極力、体温計のお世話にならないようにしているのですが、
(熱があると分かった途端、ヘナヘナとなってしまうから)
今回は、お世話になり正解でした。
これからは、”いつもと違うな”と思ったら、早めに休むことにしたいと思います。

ところで。
以前、次男が夏休みに「天然酵母の研究」をしたと、紹介させていただきました。
先日そのレポートで、賞をいただくことができました!
猛暑の中、酵母ちゃんのお世話をし、汗だくになって手ごねのパンを焼いていたので、
そのがんばった時間を評価していただけて、良かったなぁと思いました。
ご報告まで。

投稿: みぃ。 | 2015年2月18日 (水) 08時40分

みぃ。さん

たまには、そんなふうに
休んでください。
お願いします。

ところで、
王子の「天然酵母の研究」における受賞、
おめでとう!ございます。
うれしいなあ。
うれしいなあ。

このうれしさは、
未来につながるうれしさです。

投稿: ふみ虫 | 2015年2月19日 (木) 07時42分

ふみこさま みなさま

おはようございます。
カレンダーに「雨水」とありました。確実に春が近づいてる感じがしてうれしいです♪

失礼ながら、私も思わず、あはは~と笑ってしまいました。

あはは!や、わはは!は大事ですよね♪
時に力づくの。。。であっても。。。次につながる気がしちゃいますから。。。って!?

投稿: かえるのしっぽ | 2015年2月19日 (木) 09時28分

かえるのしっぽ さま

笑っていただけて、うれしい!
なぜうれしいのかわからないけど、
ほんとにうれしかったです。
スカート、落ちちゃったらよかったのに……と
思うほどに。

投稿: ふみ虫 | 2015年2月19日 (木) 13時32分

ふみこさん、みなさん
 こんばんは。
 娘(小5)、お小遣いが始まりました。好きなものの他に、学用品や、お友達へのプレゼントなどもやりくりしてもらうことにしました。月末、帳尻が合わない時は、その金額が次のお小遣いから減額される仕組み。
「家計が苦しくて。」なんて言い言い、お小遣い帳をつけています。
早めに失敗してくれないかなあ、と母は思っています。
 「落っこちる」前に、どうしても私が口を出し、手を出してしまい、「落っこちた」経験は少なめなんじゃないかと思います。それとも、私には見えないところで「落っこちて」いるのか。
「落っこちちゃった」娘に、どんな顔してあげたらいいんだろう。
落っこちてほしくない。落っこちるの見てられない。でも落っこちてほしい。そこから立ち上がって、よじ上ってほしい。
 ぐるぐる、考えています。

投稿: cohata | 2015年2月19日 (木) 20時31分

cohata さん

ほんとうにね。
子どもには(後輩には)……、
落っこちてほしくない。
落っこちてほしい。
というあいだで、ぐるぐるしているのが、
わたしたちだという気がします。

そうして、自分が落ちている……。
自分もしっかり落ちて、学ばなければ。ね。

投稿: ふみ虫 | 2015年2月19日 (木) 21時37分

ふんちゃん

 またしても、笑ってしまいました!
 なんて愉しい^m^
 そして、うれしいお話でした。
 私だけじゃないも~んって、家族に話しました(^。^)
 スカートが落ちてしまわなかったことに、深く感謝するふんちゃんもだ~い好きです(^^)

 先週…、なんだかドタバタしていました。ふんちゃんやみなさんのお話は読ませていただいていたのに、携帯から読ませていただいていただけで、なかなかパソコンの前に座ることができませんでした。
 「休日をつくれないのは、予定の組み方が下手なのであって、もっと云えば貧乏ったらしさが原因なのだ。」というふんちゃんのことばが、私にささっていました。
 その通りだなぁ。
 今年の最初に、少しペースを落とすことを目標にしようと思っていたのですが、またしてもドタバタ…。
 なかなか難しいです…。

 そしてね、前回、ふんちゃんが布団で休んでね…と言ってくださったので、おとなしく布団へ行きました。そして、ほんの20分くらいでしたが、うとうとできました。おかげで、心身共に楽になりました。 
 ありがとうございます!!!

 それとね…、佐々木広治さんも、ふんちゃんも、私の紹介した絵本を読んでくださって、頼んでくださって、ありがとうございます。
 本当に嬉しいです。
 最後に「涙が出てしまいました」というところが、大好きなのです(^^)
 
 たくさんのお礼を書きたかったから、また長くなっちゃいました…

投稿: もも(^-^) | 2015年2月20日 (金) 21時02分

ふみ虫さま

すました顔でしっかり
おさえて退席されたんですね。
汗かきながら(*^^*)

よかったぁ、落ちなくて!

ここからの式はもう
完璧です!

ピョンピョン跳ねるうさぎが
次々とやってくる
うさぎどしのわたしは
嬉しいです(*^^*)

投稿: 寧楽 | 2015年2月21日 (土) 08時09分

 落ちてもよし(よいわけではないけど) 落ちなくてよかった。
そう私は読み取ったのですけど、この考え方今の私にぴったりでした。
年齢のこともあって、再就職が厳しくて 友達が職を得て働き始めると焦ります。仕事をしていないことに罪悪感さえ感じてしまう。
 だけど、そういう一方的な見方をしていると、結局自分を貶めることになってしまうな とも感じていました。
 節操がないかもしれないけれど、どっちの結果でも私は受け止めよう(だって、片方しか選べないですもん)受入れよう。そう決めました。

 これだから よかったとか こうでないから悪かったとか、そういう選択をして、自分を苦しめてきたのは、まぎれもなく私自身ですから。
 ふみこ様がのびのびされているように私に映ったのは案外 こういうあたりのとらえ方なのかもしれません。

投稿: テレジア | 2015年2月21日 (土) 14時55分

ふみこ様、みなさま、こんばんは。
新年、帰省した息子がインフルエンザにかかった事を、こちらで書かせていただきました。年末年始の発熱は吉祥、というお言葉をいただいて息子も「うん、良かったかな」と、元気をもらって帰りました。ありがとうございました。

さて、落ちる(この季節に縁起でもないですね)といえばスキルアップのための勉強をしていたのですが、単位を落としてしまい今年は卒業できなくなってしまいました。みんなはチャチャっとネットで調べたりするところ、私は図書館で本を探して、と要領が悪かったみたいです。でも仕事柄「調べるのはまず紙の本で」という仕方ない性分なんですよね。
懲りずに更に追加でWスクールで資格を取ろうかと考えています。ここで宣言して、がんばります!

今年は卒業&資格取得します!もちろん仕事も手を抜かず!

投稿: うじゅか | 2015年2月21日 (土) 20時37分

ふみこさん おはようございます

「落ちる」と言う題名を この時期に聞いて
どうしたんだろう?と ドキドキしました。
受験生?いましたか?
次に
「こういうとき、できるだけ座席に深く腰かけ、
背中を背もたれにくっつけて、ゆったりと」の一行で
腰を痛めた?と 心配に。

そうか スカートが落ちそうだった。
こういうことが 頻繁にある私なので
そう言うことで良かったと 安心しました(ごめんなさい)

ドイツからやってきたうさぎさんは木製ですか?
ずいぶん前に ラジオで木工家の方の話を聞きました。
北欧のおまじないで 「頭の中にもし意地悪なことが浮かんだら
木でできたものを コンコンと叩いて ごめんなさいというといい」とのこと。
うさぎさんの頭はかわいそうなので 
土台辺りをコンコンとするのは どうでしょうか。


投稿: えぞももんが | 2015年2月22日 (日) 06時38分

もも(^-^)さん

いいおたより。

おたよりからは、忙しなさも、ドタバタも、
焦りも感じられません。
ゆったりとした明るさが溢れていて。

わたしも、ももちゃんを見習って、
ゆったりと明るく(スカートやパンツを
落とさぬようにして)やってゆこうと思います。

ありがとうね。

投稿: ふみ虫 | 2015年2月22日 (日) 10時28分

寧楽 さん

寧楽さんがぴょんぴょんやってきてくれていたのかあ。
愉快愉快。

うさぎのこと、不思議だったのが、
寧楽さんの「ぴょんぴょん」ということばに、
明るい行き先が見えてくるようです。
感謝しております。

投稿: ふみ虫 | 2015年2月22日 (日) 10時31分

テレジア さん

そうですね。
わたしは世のなかで
*「失敗」ということになっている事ごと、
*「はずれている」と位置づけられる事ごと、
*「無駄足」と決めつけられている事ごとに、
気持ちが向く質(たち)ですねえ。

*の皆さんが、結果的にわたしを
鍛え、わからせ、そして(ここが大事なんですが)
おもしろい道に導いてくれました。

それともうひとつ。
罪悪感とか、自責の念、悔悟のようなものは、
ひとを支えると信じてもいます。
そのはなしは、いつかゆっくり聞いていただきたいと思いますが。


投稿: ふみ虫 | 2015年2月22日 (日) 10時40分

うじゅか さん

資格というものをひとつも持っていないわたしは、
資格にあこがれるわたしです。
資格を持たないわたしは、そして、
いつか資格を手にするかもしれないわたしです。

持たないって、
ほしいものにまだ届かぬことって、
なんて楽しい!と思わずにはいられません。

ゆっくり(過程をたのしみながら)
がんばってください。
そうしてそうして……!
紙にこだわる うじゅかさんを、
讃えます。

投稿: ふみ虫 | 2015年2月22日 (日) 10時44分

えぞももんが さん

ドイツからやってきたうさぎさんは、
木製です。

そうでした、rantanaさんの、
うさぎさんは何をしているのかとのご質問にも
答えてなかった……。
何かね、青い玉のようなものを掲げもっていてね。
そうだ、これを見たとき、「落としそう!」と
思ったのでした。

コンコン叩くね。
自分でいぢわると気づかずに
こころに持ったり、
実際に「して」しまうこともあろうかと思うので、
気がついたときに、コンコンやるとしましょう。

そうだ、この子の名前「コンコ」にしよう。
えぞももんがさんが、つけてくれた!

投稿: ふみ虫 | 2015年2月22日 (日) 10時50分

ふみこさま こんにちは

ドキドキの体験でしたね。落ちなかったところが、ふみこさんですね。私は、家に帰りついてから、ありゃ、ファスナーが…ということが時々あります(時々です。たぶん)。

年が明けてから、いろいろなことに追われて、これではいけないと。きれいなものを見て心を洗いましょうと、先日、ニュースで見た「志村ふくみ―源泉をたどる」を見に京都の大山崎山荘美術館に行ってきました。
前にふみこさんが紹介してくださった時にきれいな、やさしい色に惹かれました。前期は間に合わなかったのですが、作品を見て、どれほどの手間と時間がかかっているのだろうと、そうして本当にやさしい色ばかりで、眼福でした。着物はめったに着ませんが、背筋を伸ばしてしゃんと着たら素敵だろうなと思う着物でした。筥も裂帖も宝石箱のようでした。本当に素敵という言葉と溜息ばかりでした。
美術館も雰囲気があって(山荘はマッサンに出資された方の建物だったそうです。後から作られた安藤忠雄の建物も光が射して綺麗でした)、贅沢な時間を過ごしました。

さぁ、これでまたコツコツと頑張れます。
ふみこさん、きれいなものを教えてくださってありがとうございます。

投稿: あすちるべ | 2015年2月22日 (日) 16時48分

あすちるべ さん

わたしも行きたかった……けれど、
あすちるべさんがいらしたのなら、
行ったも同然!と、うれしくなりました。

志村ふくみは、わたしには、
哲学のひととしてもまぶしい存在。
志村ふくみのリルケへの深い関心が、
いくつかの(リルケの)仕事を書かせています。
いつか、読んでごらんになったら……どうかな。


投稿: ふみ虫 | 2015年2月22日 (日) 22時46分

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