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2016年8月 9日 (火)

夏の記憶④(2016年)

8月△日
 札幌の友だちから、便り。
 大封筒のなかに、便りのほか、1冊の本がある。
『植物エネルギー 北海道医療大学の森』(堀田清・野口由香里/植物エネルギー)。
 眺めているだけでうっとりするような植物の写真と、日付のある記録(日記)で構成される本だ。
 書名にもなっている北海道医療大学の森とは何か。
 北海道石狩郡当別町にその裏山はある。クマイザサが繁茂し、荒れ果てていた森を復活させるべく「北方系生態観察園の里山化研究」がスタートした。著者のひとり堀田清(ほりたきよし)氏によれば、「公的研究費はゼロ。方法は剪定バサミで一本一本クマイザサの根切りをし、その後に現れる植物を観察して行くだけです」
 そんな研究がはじまってから19年めのことし、この本が誕生した(研究開始から10年めに刊行された前作の全面改訂版)。さて現在、森はどうなっているかというと、多くの協力者が手弁当で継続的にクマイザサ刈りを行ったことにより、さまざまな植物が出現したという。植物の出現に伴い、野鳥、エゾリス、シマリス、エゾモモンガといった小動物がふえつづけている。
「地球上に生きる全ての植物たちこそ、地球の元気そのものであり、漢方における最も大切な『気』そのものであると思っています」
 とまえがきにあるのを読んで、植物という存在をどう表現したらいいかといったら、こうだとつくづく感心した。
 本には、これを贈ってくれた友人によって、付箋がひとつつけられている。「蝦夷延胡索(エゾエンゴサク)」のページ。見て見て、という思いがあふれている。
「4/25 待ちに待った雪解けの森に先陣を切って、爽やかな青〜青紫色のお花を咲かせるエゾエンゴサク。(中略)エゾエンゴサクには小さな花が集まっていますが、ひとつひとつの花(中略)を良く見てみてください。グリム童話の白雪姫に出てくる、豊かなあごひげを蓄えた七人の小人さんの顔に見えてきませんか。マクロレンズで覗き込んで、思わず大笑いしてしまったのでした」
 物語のような説明のとなりのページには、11個の小さな花のあつまるエゾエンゴサクの写真が……。ほんとうにほんとに、11人の小人さん! ひとりひとりが青紫の帽子と同じ色の衿をつけている。先がちょっとまるくなった高い鼻と白髭を持ち、みんなたのしげに笑っている(もしくは歌っている)。
 この写真を見て、いきなりしあわせな気持ちになった。
 この本を、きょうは連れて出かけることにした。本日、市役所で午前中にひとつ、午後にひとつ会議の予定が入っており、できるだけたくさんのひとにこの写真を見せたいと思いついたというわけだった。
 教育課の「教育推進室」で4人、教育長室で4人、廊下ですれ違った友人3人に見せることができた。そのたび、「わあっ」と、「まあ、素敵」と歓声をあがった。植物の「気」が皆さんに伝わったのだと信じたい。
 会議のあと、急いで小学校に帰ってしまわれたS校長せんせいにも見せてさしあげたかった。またつぎの機会に。

8月△▽日

 机に向かってばかりいられやしないや!
 そう思って、いや、呟きもして、机をはなれる。8月に入ってから、玄関フロアのペンキ塗りをしたり、庭の草むしりをしたり、山茶花(さざんか)の枝払いをしたり、大繕いものをしたり。
 おそらく、これは夏休みのイメージがさせるもので、わたしとしたら、自由研究に取り組むようなつもりなのだ。みずからのなかに棲みついた子ども時代の夏休みの記憶が、「机に向かってばかりいられやしないや!」という気にさせる。こんな年になっても。
 きょうはきょうとて、きゅうり3キロを相手に「きゅうちゃん漬け」に挑戦している。寸胴鍋に湯を沸かし、そこにへたをとったきゅうりを入れる(火は止める)。湯が冷めたら、きゅうりだけをとり出して、その湯をそのまま沸かし、そこへきゅうりをもどす。これを3回くり返すので、けっこう時間がかかる。
 このあと、とうとうきゅうりをとり出して、厚さ57mmくらいに切ることになっていて、そこがいちばんたのしみな作業なのだが、道は遠い。
 なんだか眠たくなってきたから、明日に持ち越すことになりそうだ。

8月△▽△日

 天皇陛下の「お気持ち」が語られる映像に、計七回テレビで接す。
 わたしはきょうのことを、きっと死ぬまで忘れないだろう。

Photo

わたしの好きなもののひとつです。
ヤングコーン。
長いこと、ミニサイズの品種のものだと
思っていたのですが、とうもろこしの赤ちゃんなのでした。
ひとつの株に2本ならせるため、3本目以上は摘果する……
それがヤングコーンだそうです。
とうもろこしにはならなかったアナタ、

大事にいただきます。
Photo_2

熱湯に浸ける(3回)ところまでの
行程を終えたきゅうりたち。
作業はつづきます。

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「日記」カテゴリの記事

コメント

ふみこさま。みなさま。

ボンジーア(おはようございます)
朝から金メダルの嬉しいニュースですね。

植物の気と言えば。。
我が家の朝顔。20くらい。暑い時はすぐしぼんでしまう
のですが、今日は何かを訴えるように開いたままなのに
気がつきました。
長崎原爆忌でもありますし、義理父の命日近くの日でもあるので
何かを強く感じていたところです。

オーシャンブルーの朝顔はあれから9年咲き続けています。
義理父からは「平和」を7月に他界した義理母からは「希望」
をいつも呼びかけてもらっています。

だから7月の出会いは大切に大切につなげて
行こうと思います。
ふみこさーん昨日のおたよりはずれていないです。
「ミ」と「ファ」は半音。全音じゃなくて半分とか
かけている音の方が何かほかとつながれておもしろいなと
今すごくかんじているから。。いつもちゃんと用意して
じゃないと演奏しないようなところが前のわたしには
あったけど。今回まったく間に合わなくてでも
合わせたい一心でのぞんだらすごい音になったから
そんなこと伝えたくて書きました。
いつも受け取ってくださってありがとうございます。

ふみこさん北海道の植物のことといえば、えぞももんがさん
のおたよりが前回隠れてます。(月曜日です)

投稿: 真砂 | 2016年8月 9日 (火) 10時27分

えぞももんが さん(前の回のお便りへ)

お返事おくれてごめんなさい。

お便りにくすりとして
(奥さ〜〜ん、のところ)、
お返事もしたつもりでいたのに。

子どもの小さかったころの夏休みは、
緊張もしたけれど、アイディアをもとめてもいて、
たのしかったなー。
いまは、何が何だかさっぱりわからない
それぞれの夏を、遠巻きにしている感じです。
不意に、こちらの夏にからみついてきたりして、
咄嗟のチカラが試されてもいるようです。

入道雲でも眺めるつもりで、いようっと。

投稿: ふみ虫。 | 2016年8月 9日 (火) 10時47分

真砂 さん

今夏、朝顔を休んだので、
お便り、うれしく、
「咲いた咲いた」と読みました。

オーシャンブルーの花色も、
わたし好みです。

大事な何かを訴えている朝顔さんたちに、
ありがとう、と云いたいです。ね。

えぞももんがさんのお便りのこと、
ありがとうございました。

投稿: ふみ虫。 | 2016年8月 9日 (火) 10時50分

ふんちゃん皆様こんにちは

私の好きなものも紹介させてください。

新しい部署になって
団体で休憩に行く、という新たな習慣ができました。
それまでなかったことに新鮮で

仕事以外のことお話するのが本当に
楽しみで仕事も気持ちスムーズに
進むような感じです。

来る前は新しい部署に不安でしたが
住めば都といいますか、
来てよかった、あとは結果を残そうという気持ちで
胸がほっこりしています。


そーえばうつむいて帰ることも
なくなりました。
(正直今までうつむいていたんです

投稿: たまこ | 2016年8月 9日 (火) 12時32分

ふみ虫さま、みなさま、こんにちは。

この夏一番印象に残ったニュースは、青年が何十人と殺傷した事件です。
彼の発言は、残念ながら珍しいことではありません。珍しいことではないのに、そこはみてみぬふりをして、自分を棚にあげ、だれもかれも彼を叩くことに躍起になっていました。
今日は長崎に原爆を落とされた日。

もしかしたら自分が、加害者の立場になったかもしれない。
自分でないにしろ、身内や親しいひとがしたかもしれない。
その視点を失ってはならないと、改めておもいました。


投稿: 佐々木広治 | 2016年8月 9日 (火) 13時33分

たまこ さん

あたらしい習慣。
それを生みだす(あるいは、続投させる)チカラを
たまこさんも、つくっているのだと思います。
そのことを、たまこさん自身は、
気づかずにいるくらい、自然体です。
素敵。

ほんとうに佳き場が与えられましたね。
佳き場を生みだしましたね。

おめでとう。
おめでとうございます。

投稿: ふみ虫。 | 2016年8月 9日 (火) 20時09分

佐々木広治 さん

事件を起こした彼を叩くばかりでない
広治さんが、存在し、
ここに、考えよう、思おうという……風を
通してくださる。

わたしも、考えずにはいられません。
思わずにはいられない。
みずからのなかに存在する矛盾から
逃げだしたくもなります。

が、堂堂めぐりでも、
寄り添わなければいけない(過ちにも、悲しみにも、
孤独にも……)のだと思う日日です。

投稿: ふみ虫。 | 2016年8月 9日 (火) 20時15分

ふみこ様

今年の夏はずっとテレビつけっぱなしです。
オリンピックと高校野球、
どちらも好きなもので^^
家事に集中できないのですが
こういう幸せな夏も
自分に許してあげようなんて思いながら、
いつもの倍の時間をかけて用事をしています。

今年はうっかりしていて
あさがおと風船かずらの種を蒔いたのがおそかったんです。
なのでまだ花は咲いていませんが
すくすくと育っています。
緑とのおつきあいを休んだらどうなるんだろうと
去年実験しましたが、
豊かさが心から消えてびっくりしました。
日々の味わいが激減。
そこにいてくれるだけで
安らぎを注いでもらってるんだなあ。
手放さなくてもいい幸せは大切にしなくっちゃ。
暑いけれどいい日々です。

投稿: ゆるりんりん | 2016年8月10日 (水) 09時49分

ゆるりんりん さん

そこにいるだけで、
やすらぎを与えてくれているものたち。

ほんとうにそうですね。

手を足を動かし、
みどりにこころ奪われる
(そして、オリンピックや高校野球の画面の前で
うろうろする)、
そんな夏をもっとありがたがらなければ。

っていうか、たのしい!です。

投稿: ふみ虫。 | 2016年8月11日 (木) 10時10分

ふみこさま、おはようございます。

生命の「気」の続きです。

今朝中庭の前の通りで出会った生命。
誕生したばかりのせみのこくん(さん)?

はねは透き通っていて
薄い黄緑のからだがうつくしく
目はぱっちりしてるけど
まだ動けないんだよね。。でも道の真ん中。。
羽化のさいストレスで死んでしまうこともある
から触らない方がいいのか悩んだ末
この朝早く人も通らないしそっと見守る

これですね。
そこにだだいるだけでいいんだ。。。
気持ちが通じたのか「大丈夫だから」
ちょっとはねを動かして見せてくれたセミのこくん。

ふみこさんと一緒に眺めたかったなあー。
朝から失礼しました。夏休みの私の自由研究みたい。。うふ。

投稿: 真砂 | 2016年8月12日 (金) 08時41分

真砂 さん

せみのこさん(くん)の
お便りをどうもありがとうございます。

わたしも、虫さんに逢うたび、
〈気〉をもらっています。
ちょっぴりこちらからも、渡します。

履修を過ぎた途端、
秋の虫が鳴きはじめました。
これも、〈気〉。

気がついてるよーと、
わたしも庭で鳴いたりする。

投稿: ふみ虫。 | 2016年8月13日 (土) 22時24分

ふんちゃん

 またまた…あっという間の今日です(^^;)
 気がついたら、夏休みももう少し…。あと一週間となりました。
 毎日、何をしていたのだろうなぁ?と思いう浮かべると、
 あれやこれや…。
 子どもたちのお世話になりっぱなしの夏休みが、終りに近づくと、ちょっとさみしい気持ちも出てきたりしています(^^)

 北海道医療大学!
 うちから近いのです。当別も、そう遠くはない…。
 自然がいっぱいなのは知っていたけれど、そんなにステキな研究がされていたなんて…。
 近くても知ろうとしなければ知れないことはたくさんありますね…。
 
 毎年、夏は終戦記念日もあり、いろいろ感じ、考えたりする季節ですね。 天皇陛下のお言葉…、私もテレビでじっくり聴き入りました。お言葉一つ一つに思いが感じられました。
 私も、言葉を大事にしなければならないと思いながら、
 日々の暮らしで、子どもたちにひどいことばを放ってしまったりしています。本当に、本当に日々、反省。

 ゆっくり…、ゆっくりだよ…と言い聞かせながら、
 一つ一つ大事にすることを、またここへお邪魔して思い出す日々を繰り返していくんだなぁ…これからも…。

 今年も、畑のきゅうりが豊作です。
 毎日、きゅうりの漬物(^^)
 ぬか床が、すぐにすっぱくなって困っています。
 からし粉や卵の殻を入れてみたものの…。
 たまに冷蔵庫に入れて休ませるといいでしょうか?

投稿: もも(^-^) | 2016年8月14日 (日) 10時03分

もも(^-^)さん

そっか。
北海道の夏休みは、短いのですね。
あと1週間!

大事に、もっとゆっくり、
もっと呑気に過ごしてね。
ゆっくりは、あたらしい知恵を授け、
呑気はやさしさを生む。
(これは、いまのわたしの思いつき)。

ぬか床ですが、
夏は酸っぱくなるし、
ゆるむし、でもそれが成長です。
そういう発動を、うんとうんと体験させて
やろうじゃないか!

ももちゃん、
「子どもたちのお世話になりっぱなしの夏休み」
とさらりと云えるあなたに、金メダル!

投稿: ふみ虫。 | 2016年8月15日 (月) 00時33分

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