« 愛のあるところには……其の2 | トップページ | あかさたな……ふふん »

2018年6月 5日 (火)

ぽんずにんにくごまらーゆ

 机の上に、ひらりと置いてある紙片。
「ポン酢ニンニクごまラー油」と書いてある。
 急いで書いたものらしく、子どものような字で、ニンニクなどはニンチクと読めるような有り様だ。急いで書いたものらしく……とつい記してしまったが、書いたのはわたし自身で、思いつきを紙の上に置いた。
 何かのタレだと思う。
 一度つくったこれがタレとしておいしかったし、「これ、いい!」と食卓で声も上がったものだから、書いておいたのだ。忘れっぽいから書いておいたのはいいけれど、何のタレであるかを書き忘れた。

 何だったっけ。

 と思いながらもう2週間ほども過ぎている。
 子どものような字の紙片はいまも机の上に置かれ、日がたつうち、文字から不敵な笑みを投げかけられているような気さえする。
「マダ オモイダサナイ ノカ」
 週末帰ってきた夫に、
「これ、前に食べた何かのタレなの。たしかにあなたもおいしいと云ってたんだけどさ、何のタレだったっけね」
 と紙片を見せて訊くが、さっぱりわからない。
 まあ、わかるはずないのだが、「おいしいものつくったって、すぐ忘れるんだから甲斐もないや」などと捨て台詞。不敵だったり不穏だったり、タレの材料に心かきまわされている。

 これはまた別の日のはなし。

 久しぶりににぎやかな食卓になり、なかに若者も含まれていたから、大鍋にご飯を炊く。若い男子には白米を食べさせておけば何とかなる、とわたしは思いこんでいる。あとはどうとでもなる、という意味でもある。

 ご飯

 じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、ベーコン、ブロッコリのミルクシチュウ
 鶏のガーリックソテー
 アスパラのソテー
 トマトのサラダ焼きさつまいも(ほんとはお菓子。これをつけ合わせに!)
 ニラ入り卵焼き
 さつま揚げ

 ところが。

 あろうことか、ご飯炊きに失敗したのである。見事な芯ご飯になった。いつもはご飯を焚かない鍋で焚いたこと、神経をつかわなかったのがいけなかった。火にかけている時間が短かったのだと思う。
 が、これさえあれば……の白米がこんなことでは困るのだ。
 芯ご飯をなおす方法(浅い鍋にご飯をうつし、ひたひたの水を入れ、蒸らすように焚き足す)も知っているのだが、昨日は思いきって焚き直した。

 そうして一夜明けた朝。日曜日だ。

 眠い目をこすって鍋のふたをとると、そこに芯ご飯はあったのだ。
 ……夢じゃなかった。
 こんなとき反省し過ぎることを自らに禁じているため——こんなことくらいで反省色を醸していると、わたしのまわりは常に暗黒だ——何食わぬ顔でつぎの手を打つ。
 野菜を刻み、それを炒めたところへ芯ご飯を投入。そんなこんなのあいだに「芯」はなくなってゆくはず。
 炒めたご飯を釜飯の釜によそい、昨日のミルクシチュウ(少少牛乳でゆるめる。ライスグラタンは、ご飯粒とご飯粒のあいだにルウの汁気が浸透してゆくのがおいしい)をとろりとかける。ピザチーズをぱらりとのせる。
 これを焦げ目がつくまで焼いて、「どうぞ召上がれ」である。

 廚(くりや)しごとに綻(ほころ)びが生じるときは、決まってわたしの神経が強張(こわば)っているときだ。縮こまっていると云っていい。縮こまっている日にも、廚しごとには救われるのだが。

 いつもはしないしくじりや、もの忘れや、切り傷やけどが、わたしに向かって警告を発するというわけだ。
 ところで、あれは何であったか。
「ポン酢ニンニクごまラー油」はまだ、わからない。
 いったい、これは何のタレだ?
 どんなに神経が縮こまっていたとしても、それを思いだしたなら、一気にわたしはのびのびとして台所にも歓喜が訪れることだろう。

2018w_2  

これが芯ご飯グラタンです。
けっこういけました。
ほっ。

|

「日記」カテゴリの記事

コメント

こぐま さん

はよーよーよーなってー。

ふ、

投稿: ふみ虫。 | 2018年6月11日 (月) 10時28分

もも ちゃん

感動泣き。

投稿: ふみ虫。 | 2018年6月11日 (月) 10時26分

円 さん

クリームシチュウ
→ グラタン。

投稿: ふみ虫。 | 2018年6月11日 (月) 10時23分

えぞももんが さん

挟む。

投稿: ふみ虫。 | 2018年6月11日 (月) 10時21分

あすちるべ さん

少し。

投稿: ふみ虫。 | 2018年6月11日 (月) 10時20分

ふみこさま。

こんにちは。
私は、最近買った料理の本がとっても良くて、今、台所仕事が楽しいです。
昨日は、ぽんずとめんつゆを混ぜて、チンしたピーマンにかけ、かつおぶしを仕上げにかける料理をつくりました。
おいしかったですよ!

実は、この間、主人が事故に遭い足の関節の中を骨折しました。
今、自宅療養中です。
生きてると、ほんといろんなことがありますね。
いたわりの言葉とかかけるの、照れくさくってよお言わんのんじゃけど、
心の中では、「はよーよーなってーよー」って祈っています。

はるくんとの夕方のおさんぽも楽しく、一日一日を大事に過ごしたいなぁ、と思っています。

では、またぁ。

投稿: こぐま | 2018年6月10日 (日) 16時02分

追伸: 「対象」の騎馬ではなくって、「大将」の騎馬でした…。

投稿: もも(^_^) | 2018年6月10日 (日) 14時19分

ふんちゃん

 何のタレか…、分からないけど、なんとなく美味しそう(^^) 
 メモを残しておいたということは、
 意外なモノのタレなのかなぁ?
 想像していて、ただ茹でただけのラーメンをつけ麺みたいに食べたくなりました。

 パソコンは、無事に直ったかなぁ…。
 いろんなことが、ふんちゃんのところに降ってきてるんですね…。
 それでも、グラタンは、とっても美味しそう(^。^)

 ふんちゃんが、台所で元気になるということを教えてくれて、
 私も、そう感じることが増えました。
 今は、やっぱり1番目ちゃんのお弁当作りが、
 私の愉しみとなっています。
 とにかく、彩りに気をつけてくださいと言われてからというもの、
 トマトを食べない1番目ちゃんの赤い色を探すのに試行錯誤しています。
 今のところは、パプリカと、赤かぶの塩漬け、紅ショウガに助けられていますが…。
 彩りよいお弁当が出来上がると、
 本当に嬉しくって、清々しい気持ちになります。
 何となく、もやもやしている時に、工作をしてスッキリする、
 子どもの頃の感覚と同じだなぁと思います。
 台所しごとは、いいですね。

 そうそう、前回の運動会の話です。
 高学年リレーでね、抜きつ抜かれつしながら、アンカーに渡ったバトン。
 1人のアンカーの男の子が、最後の最後で抜かれてしまったんです。
 そしたら、その男の子は悔しくて悔しくて涙を流しながら、ゴール後の待機場所へ。
 毎年ではなかったはずなのですが、今年は、アンカー4人それぞれが、
 感想を述べるという時間まであるではありませんか!
 その泣いている男の子。マイクを渡されても、涙が止まりません。
 それでも、何とか懸命に話したことが、
 「みんな、頑張ってくれたのに…。ごめんなさい」
 って深々と頭を下げるのです。
 これには、瞬時に涙が溢れ出てしまいました。
 その子だって、本当に頑張っていたのです。
 観客席からは、「いいんだよ!格好良かった!」「よくやった!」など、
 沢山の声がかけられました。
 その後、その子はもちなおして、
 「みんな、頑張って、1番でバトンを渡してくれたのに、ボクは…、ごめんなさい」と、
 また頭を下げます。
 そしてまた、観客席から沢山の励ましの声。
 あとね、あとね…、
 騎馬戦でね、騎馬の後ろで、後ろに倒れてきた騎手を支える子がいるのですが、
 今年は、対象の騎馬の後ろに居る子の活躍がすごっくって、
 その支える子がいなかったら、戦えなかったな…と思うくらいの活躍っぷりの子が居たんです。
 これにも、感動しました。
 まさに、陰の立役者!
 表にでないのだけれど、すごい活躍。
 こうして、陰で活躍するということを覚えてもいくんだなぁと思うと、
 また、涙がぽろり。
 
 本当にステキな運動会でした。
 
 最近はね、お弁当の負担を減らすためとか、
 学校の授業のコマ数が確保できないからという理由で、運動会が午前中で終わりという学校が増えたと聞きました。
 なんてことなの!
 そこで浮いた時間で、一体、何をしたいというのだろうか?
 と、1人、鼻息ふんふん、興奮して話していた私です。
 ありがたいことに、札幌とはいえ、田舎の小さな小さな学校で、
 地域の人とのつながりも強く、
 まるで地域の運動会というかんじでもあるので、
 ウチの学校は、しばらくは今まで通りの運動会が続けられそうです。
 こんなに、愉しみにして、頑張ってる子どもたちがいるんだもの。
 みんなで、応援して愉しまなくっちゃ!と思ったのでした。

 そして…、
 もしかして、おきょうさんさんが、札幌にいらっしゃってるのかなぁ?
 想像するだけで、ワクワクしました〜。
 ここのところの暑さが消えてしまい、
 昨日、今日と寒いので、お体にお気をつけてください…。
 あ〜、本当は、お会いしたかった〜。

投稿: もも(^_^) | 2018年6月10日 (日) 14時17分

ふみこさま、皆さま

なんのタレだったんでしょうね?
鰹のたたきとか餃子とかにも相性バッチリな気がしますが。。。

あすちるべさんのお宅には枇杷がたくさん届いたのですね。
酵素ジュース、パワーがでそう。これから夏に向けて大活躍しそうですね!

うちには、ここ1週間、毎日桑の実が届いてます。
だんなが職場で、熟れたのをせっせと摘んで持って帰ってくれます。
職場には意外にも他に取る人がいないらしくて、取り放題、食べ放題なのですって。

週末、1キロくらいになったところでジャム?ソース?にしました。
小瓶につめて方々へ届けました。まだまだ届くので、あと第2弾、3弾くらいまでいきそうです。

クリームシチュウからライスグラタン、おいしそうです!作ってみよう。

数年前、たくさん残ったクリームシチュウを見て、

「カレーうどんがあるなら、クリームシチュウうどんもありじゃないか?」

と思い、作ってみました。

残念ながら、うちの定番にはなりませんでした。


投稿: 円 | 2018年6月 8日 (金) 23時01分

ふみこ様 こんにちは

雨の金曜日の札幌です

ふみこさん 私の家計簿に挟まっているメモ紙には

ビューティフルボーイ
見つめていたい
アロカシア
太陽を背に受けて 
・・・・の、走り書き

家にいるときは たいていラジオをかけています
聞こえてきた 好きな曲の名をメモ
気になる言葉をメモ

1、2、4はたぶん曲名
アロカシアは なぜ書いたのか忘れてしまいました
でも ずっと 挟まったままの 走り書きです

芯ご飯グラタン こういうご飯 大好きです

投稿: えぞももんが | 2018年6月 8日 (金) 15時27分

ふみこさま こんにちは

梅雨の季節になりました。実家から枇杷が沢山きたので、少し酵素ジュースを仕込みました。今年は少しだけ梅も漬けるつもりです。梅雨も楽しみがいろいろです。

芯ご飯からのライスグラタン、流石ですね。ウチは迷わずお粥です。お粥が余ったら麹を振り入れてスープジャーで保温して甘酒かな?祖父母と暮らしていたのでお粥が身近にありました。
でも、次はライスグラタンでいってみようと思います。

図書館で『イワンのばか』を借りてきました。まだ読み始めですが、手許に置いておきたくなりました。明日、書店に行こうと思います。
手に豆のある人になりたいです。

色々と素敵なことを教えてくださりありがとうございます。

投稿: あすちるべ | 2018年6月 8日 (金) 13時44分

ハチミツ さん

後方支援。

投稿: ふみ虫。 | 2018年6月 5日 (火) 16時26分

たまこ さん

協働。

投稿: ふみ虫。 | 2018年6月 5日 (火) 16時22分

ふんちゃんへ

昨日 北海道から戻っ来ました。
6月の帰省は多分結婚して(今年銀婚式です)初めてです。
ここ二年は5月中旬の帰省が続き大好きな新緑の季節を一年に、二回味わっていました。
で、6月は……ライラックが咲き、緑が濃くなりかけの木々が眩しかったです。
無事に、母の納骨も済みました。施設に来週まで入所の父はまた痩せていたけど、私の事は分かり帰り際には握手して別れました。父は家に戻る事を楽しみにしているようでした。帰ると姉妹に面倒
をみてもらうようになります。なかなか簡単に帰る事ができない、お気楽な次女と姉妹には思わ 
ている私です。

「ぽんずにんにくごまらーゆ」は蒸し鶏に掛けたら美味しそう!キュウリも千切りにして添えて。
  

投稿: ハチミツ | 2018年6月 5日 (火) 12時23分

ふんちゃん皆様こんにちは。

ふんちゃんがお疲れかな?って時に生じる
その後の出来事(芯グラタンにしてしまうところなど)
とっても可愛いらしいと思います。

なんだか失敗してもいいよ、のんびりいこうと
励まされてる気分です。

今朝は義母にも型にはめないのんびりいこうと
励まされました。

おふたりの人生の先輩ありがとうございます。
そしてぎゅっとしたお返事楽しみにしてます

投稿: たまこ | 2018年6月 5日 (火) 12時22分

真砂 さん

思いがけない。

投稿: ふみ虫。 | 2018年6月 5日 (火) 10時41分

皆さま

わたしのパソコンに不具合が生じ、
直す手立てをつかむまで、
スマートフォンのお世話になります。

ですから、その間、短いお返事を。
〈ひとこと〉にしてみようかな。

お許しきださい。
(おたのしみください)。

投稿: ふみ虫。 | 2018年6月 5日 (火) 10時40分

ふみこさま。おはようございます。


ご飯グラタンおいしそうです!!
それから。。なぞのたれなんだったんでしょうね。ふふ。
主人もよく焼き肉のたれを調味料混ぜて何やら実験してますが。。
んー。ん―?という感じもこころがほぐれてきてたのしいですよね。

週末はよく娘が帰ってくるまででたらめにおもいつきで
居酒屋メニューをつくったりがなんだかたのしいです。
一年前の梅酒もいい味になって。。ふふ。

話がらっとかわりますが。。(いつものことだしね。。。)
昨日かこさとしさんの番組プロフェッショナルでやっていたのですが
水という作品の絵を描けなくなりそうになりどなたにお願いするのかな
と思っていたら。。。鳥の巣の絵がおじょうずなすずきまもるさんが
現れて。。(この方の絵も大好きなので)こういう展開。いのちをかけた
お二人の合作。それをささえられたご家族やスタッフのみなさまの
あついあたたかいおもいにこころがふるえました。
すみません。なんだかグラタンからこんな展開になっちゃって。。。
思いがけない合作っていいですよね。
ふみこさんのアイデアはいつもすてきです。ありがとうございます。
ではいいいちにちになりますように。

投稿: 真砂 | 2018年6月 5日 (火) 08時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)