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2018年7月 3日 (火)

フタ

 台所に立っていたときのことだ。
 オリーブオイルを使おうとして、瓶をとり上げ、フタに手をかけたら、フタがするっと抜けてしまった。そのためフタだけがわたしの手に残り、瓶の本体のは床に落ちたのだ。
 さいわい瓶のなかのオリーブオイルの分量が半分より少ないくらいであったため、オイルが飛び散ることはなかった。

「また、だ」

 と、わたしは思う。
 少し前にも、同じことがあった。
 化粧水の瓶のフタに手をかけたとき、本体が床に落ちた。オリーブオイルも化粧水も、容器の瓶のフタは何の変哲もないねじ巻き式。これを前に使ったとき、ネジ山をまわし詰めずにしまったのがいけなかった。
 フタを閉めきらなかったのは、そう、わたしだ。
 どうしてだか最近、さいごのところが甘くなる。
「ぎゅっ」とゆくべきところがそうできず、なんとなくやんわり締めてしまうのだ。

 かつてはぎゅっとやり過ぎて、つぎに同じ瓶を使うとき、フタが開かなくて……困ったものだが。

 オリーブオイルの瓶を拾いあげながら、「気をつけなくちゃ」と自戒する。そうしながら、「さいごのところが甘くなったのは……」と思いをめぐらしている。
 瓶の閉め方だけではない。そう云えばこのところ、決断が甘く……というか、決断の場合はゆるくだろうか、白黒はっきりさせずに、開とも閉とも決めず、しばらくのあいだゆるめておきたいような気持ちでいることがふえている。

 ひとを見るときもそうだ。

 若い日には、出会い頭に相手との縁(えにし)の深さを見切ってしまい、第一印象が芳しくないときなどは、すぐに自分の前に戸を立てたものだ。ところが近年、出会い方は印象的でなかったが、その後ゆっくりと向き合って、ことあるごとに意見を交換する関係になる、という友人知人が少なくない。
 自分のまわりのひとたち、めぐりあう経験は、目に見えているより、ずっと奥深い。それを簡単に見切ってしまえば、ことは育ちもせず、変化もしない。それに……、見切り癖がつけば、つまるところ、わたし自身のなかにも在るかもしれないまだ見ぬあたらしい自分もみつけられない、というわけだ。

 あたらしい自分をみつける。

 瓶のフタはしっかり閉める。

 これはわたしの、いまの大切な目標。


2018w_2 
オリーブオイルを使って、
何をつくろうろしていたかというと、
友だちのお土産のポルチーニを、
パスタにしようとしていたときのことです。
2018w_3

オリーブオイルの瓶を落としたり、
「ポルチーニって水でもどすんだよね」
とこんがらかったり。
それでもできたパスタは、やけにおいしかったです。

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コメント

おきょうさん さん

ほんとうにね。

この広場はそうありたいですね。
何でも受け容れまするよ、というような。

フタ?
そんなのあったかいな、というような。

体型?
それ、何のことでしたやろか、というような。

ありがとうございます、
おきょうさん さん。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 9日 (月) 23時35分

ふみさまみなさまこんにちは。
やはり、現在17時半ですが、まだこんにちはの明るさです。

ごゆるりと

という言葉や

まあるい

という言葉

なんだか、みためも、発音も好きです。
「らりるれろ」って、角がない気がしませんか?→へん?へん?

私は昔っから、ビンのフタはほぼのせるだけ、
なんでも適当に、ゆるゆるで過ごしてきた感じなのですが、
ここにきてさらにゆるくまあるくなった気がします(体型もだけど((笑))

七夕も、今年も大きなお願いごとはないから、
とにかく日本のお天気が回復しまように。
と空を見上げて思ったくらいで、
笹は求めませんでした。
日々の生活、いろいろあるけど、充分素敵に過ごさせていただいてます。
私がかなえてもらえるお願い事があるなら、それはどうか、困っているかたへまわってほしいな。


ステキだなあと思う人の言葉の遣い方や、ものごし、所作は本当に流れが緩やかで、でも、無駄がない。
なんていうか日本って生け花とか茶道なども、凛とした骨格があって、あとは風が通るように、ゆるみで美しさを表現するような気がします。


長年生きてきた私たち。
もう骨格はかえられないから、
あとはどのようにゆるみを作って風を抜けさせられるかかな~~と。

ふみさまもこの広場で、ゆる~くフタをしめてくださっているから、
みんながふらりと立ち寄れる感じなのだとおもいます。

みなさんそれぞれふわりふわり、まあるく、おいしいブドウみたいに
ぶらさがってたのしんでいるこの広場、うれしいこともかなしことも、がんばったことも、みんなまあるく持ちよりましょう


投稿: おきょうさん | 2018年7月 9日 (月) 17時48分

えぞももんが さん

わたしも……、
オリーブオイルの瓶を落としても
いいかな、と思っちゃいました。

またやって、えぞももんがさんを
思いだしてうれしくなり。
これ、いいわー。

この夏は、いつもの夏とちがい、ますね。
日本列島がきしむ音が聞こえてくるような。
大地への感謝を忘れずに、
落ち着いた気持ちで、暮らしたいです。

この夏への思いのなかには、
〈感謝〉がどうしても必要だと思います。
たくさんの〈感謝〉をあつめて、
供えたいような気持ちでいます。

供えは、備えにつながるね。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 9日 (月) 13時11分

寧楽 さん

アズアズさん、何か書いているのかな。
あのひとは、わたしに似たところも
ありますが、ひとりのよそのひととして、
おもしろがるようにしています。

おもしろがれず、ぎょっとすることも
あるにしても。
うふふ。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 9日 (月) 13時07分

もも(^_^)さん

いつもながら、
強引、無理やりな論法だと、
ちょっと恥じております。

論法はどうでも、
〈あたらしい自分〉には、期待していたいと
思っています。
若いひとはもちろんですが、
いくつになっても、ね。

後藤美月さんのつくるものは、
とっても素敵ですよね。
とってもやさしい、美月さんの魂から
生まれてくるものだから……だと。

ももちゃんも、そうです。
ももちゃんの魂から、
ももちゃんの日日が、
活動が生まれていますね。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 9日 (月) 13時05分

ふみこ様 おはようございます

オリーブオイルの蓋の話は
私の失敗そのもので
今度 瓶を床に落としてしまったとき
私は ふみこさんを思い出して
嬉しくなるに違いないと思います。

新しい何かを始めるとき
初めての人に会う時
石橋を叩きすぎて 結局渡らずじまい
と言うことが 多いのですが
ふみこさんの話を聞いて そうか・・・と、思いました
 
ふたを 緩めておくことは
新しい自分に 会えることにつながる

そちらの方は 得意かもしれません
 

自分のまわりのひとたち、めぐりあう経験は、
目に見えているより、ずっと奥深い。

いい言葉ですね

新しい自分は どんなだろうと想像してみる。
大人に向かう時の あの何とも言えない
嬉しい気持ちを少し思い出しています。

ふみこさん 今年の夏は 少しいつもと違いますね
それでも まず 今日の日に感謝。

 

投稿: えぞももんが | 2018年7月 9日 (月) 05時31分

ふみ虫さま

ギューっと締めすぎるのも
緩すぎるのも
うまくいかないですね。

気持ちもひととの
距離もそうかもしれませんね。

アズアズさんの
ところでお話しを読んで
あぁ、ふみこさんの分身だなぁと
思いました。

大雨が過ぎて、暑い夏が
覆いかぶさりそうです。
どうぞ、ご自愛ください!


投稿: 寧楽 | 2018年7月 8日 (日) 21時02分

ふんちゃん

 フタ… 
 調味料とかのフタは、ゆるいけど、
 子どもたちの水筒だけは、きっちり閉めるように気をつけています。
 一度、お茶が漏れる事件があってから…。
 今は、平日、毎日、1番目ちゃんの水筒を緊張しながら閉めています(^^;)
 
 フタがゆるいことから、
 「新しい自分を見つける」というお話しになるなんて…。
 なるほどな〜と思って、読んだ後にじんわり考えていました。
 そうか〜、
 新しい自分…、私の中にもあるのかなぁ…と、
 ちょっと愉しくなりました。
 フトすると、嫌な部分を見つけてがっかりすることが多いのです。
 けれど、愉しみに思お〜っと…。

 先日、ふら〜っと本屋さんに行きました。
 (本当に久しぶりの、ふら〜っと本屋さん!なんて幸せな時間!)
 そこで、「婦人之友」を求めました。
 その中にある「ニワトリと卵と、息子の思春期」というタイトルが気になって…。
 ゲームが欲しいと言っていた息子がニワトリが欲しいと言い出した。
 というのです。
 高校へ入学して、色々話をするようになった1番目ちゃんとのことが、
 頭のどこかにあったんですね。
 面白そうだな〜と思って手に取りました。
 そうしたらね…、
 ごとうみづきさんの「せんたくきスイッチ」ってお話が載っていました。
 またまた可愛い絵と共に…。
 なんだか、これまたステキなご褒美をもらった気持ちになりました!
 今日は、久しぶりに青空が見える札幌です。
 先週末は、近くの川が危険水位レベル3まで来ました…と
 発表されて、ちょっと緊張したのですが、
 こちらは、おかげで、その後落ち着きました。
 けれど、その後、今、大雨で大変な地域があって…、
 昨日も、千葉で大きな地震があって…。
 あちこち心配です。
 みなさまが、少しでも安心して過ごすことができていますように…。
 心よりお祈りしています。

投稿: もも(^_^) | 2018年7月 8日 (日) 14時55分

こぐま さん

うんうん、
今週から来週にかけての宿題の、
褒美として「こぐまのノート」に
たどり着くことにします。

がんばります。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 6日 (金) 23時30分

真砂 さん

そして(そして、なんて唐突でごめんなさい)、
文化の栽培者ということにつながってゆきます。ね。

グッドナイ。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 6日 (金) 23時27分

ふみこさま。

こんにちは。
倉敷、雨が降り続いています。
警報がでたりして、今までにない感じです。
はやく、お空にフタをしてほしいです!

今日は、はるくんと紙芝居を作りました。
ほとんど私が作りましたが、絵のむずかしいこと。
ブログ「こぐまのノート」に書いてみました。
よかったら、のぞいてみてください。

では、またぁ。

投稿: こぐま | 2018年7月 6日 (金) 17時51分

ふみこさま。おはようございます。

うれしいです。
私は一番最初にひかれたのは河井寛次郎さんなのですが
7月7日から汐留ミュージアムで河井寛次郎展
なんだか今年の七夕のおくりもののようで。。。ふふ。
寛次郎さんの世界へまねかれているようでうれしいです。


浜田庄司さんのエピソードですきなのは
京都へ疎開していた柳さんが河井さんをおとずれても
2人はあわなかった。そこへ浜田さんがぜひ柳家へどうしても
行きたいと言って訪れある作品をみて一気にみんなの気持ちがとけあった
というところ。。こういう方たちでもやっぱり意固地になったり
やんちゃだったり厄介だったりってなんだかほっとしちゃいます。
だからこそ柔らかく人と人を包む空間ってたいせつにしたいです。

ふみこさん。嬉しくて朝から失礼しました。
どうぞ読み流してくださいね。ありがとうございました。

投稿: 真砂 | 2018年7月 5日 (木) 08時35分

佐々木広治 さん

七夕。
笹を飾ったり、願いことを集めたりというより、
ことしは静かに、ふさわしい事ごとを与える存在として、
感謝の気持ちを伝えたいような。

この世に生きるひと皆が、
それぞれの人生を生き生きと生き抜けますように。

これがわたしの希いです。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 5日 (木) 00時41分

真砂 さん

浜田庄司展。

そうか、行かなくては。
なぜだか民藝運動が、わたしの
人生の入り口のように思えます。

それが、いまでは神とも、
愛しき先輩とも、そして友だちとも、
名づけられない摩訶不思議なる存在になっています。

そうか、浜田庄司展。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 5日 (木) 00時36分

ふみ虫さま、みなさま、こんにちは。

いまのいままで気づかずにいましたが、もうすぐ七夕なんですね。
七夕の飾りをみたりもしていたのに、まったくおもいいたりませんでした。
ぽかんどころか、ボケっと抜けています。いつも。

ふたも蛇口もあまりきつく閉めないですね。
でも、どうだろう。
ひとに対しては、ゆるやかに開いているだろうか。
閉じぎみかもしれません。

投稿: 佐々木広治 | 2018年7月 4日 (水) 18時21分

ふみこさま

もひとつやさしくのおことばありがとうございました。

本当にすぐに夢中になっちゃう性格なのでね。。
今年はいろいろな活動にも回数を減らして
その分しっかり心を寄せて取り組もうってきめたところなんです。

記者ともしっかり向き合ってお互い本当にやりたいことなど
ずっとはなしこんだのは先週はじめて。。。
共通する点違う点が分かりそれを共有できていまこころがあたたかいです。
ふみこさんがかいてくださったようにあたらしいスタートにいます。

だからちょっとおびっくり。。ふみこさんって
書かなくてもわかっちゃうんだなあーって。ふふ。

だからちょっとよゆうができて
世田谷美術館で浜田庄司展ほとんどひとりでみてきました。
入ったところすぐにある部屋のガラス窓の後ろの緑いっぱいのなかで
みた器がここちよさそうにむかえてくれました。
日々の生活にねざしたくらしからうまれる美。
「京都で道を見つけ英国で始まり沖縄で学び益子でそだった。」
の言葉が白い壁にかかれているのもよかったです。
ふみこさん本当にいつもささえてくださってありがとうございます。

投稿: 真砂 | 2018年7月 4日 (水) 14時03分

ベス さん

昨年のいまごろ、
紫陽花のはなしを書いたとき、
ここへおたよりいただいたのではなかったでしょうか。

そうしてそうでしたか、
先日いらしてくださったのですね。
どうもありがとうございました。

辛かったことも、
いまはいい思い出……。
あのひとも、そしてわたしも、
ああしなければいられなかった、そのわけが
わかるようになった……。

って、これはきょう、ふと考えたこと。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 3日 (火) 23時14分

たまこ さん

ご自分の100点当たり前度(?)を
上げることも大事だけれど、
職場全体の「度」を上げることをもとめてゆくのは
もっと大事……。

まあるくまあるく仕事ができると、
いいね(これは、わたし自身へのつぶやきでもあります)。

産休はいつ明けるのでしたか。
どきどき。

おせんべいのおはなし、
聞かせてくださって、ありがとうございました。
なんて賢い、かわいい坊やちゃん。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 3日 (火) 23時10分

真砂 さん

七夕。
近づいてきましたね。

なんだかどきどきさせられる
7月です。
真砂さん、2年前の七夕から
あたらしい旅をつづけてこられましたよね。

ことしもまた、あたらしく。
あたらしくやさしく、情熱的に。
そしてもひとつやさしく、ね。

投稿: ふみ虫。 | 2018年7月 3日 (火) 23時04分

こんばんは。
昨年の今頃 家族の事、仕事の事でにっちもさっちもいかない気持ちでした。
そんな時、こちらの広場で心に灯がともるような言葉に出会い一度おじゃましたベスといいます。
今は少しずつですが、希望が持てるような心もちで過ごしています。いろんな出来事、人やモノ全ての出会いが今の私のなかある なんだかいとおしい気持ち。 悪い事も良い事も、いつまでも同じではないのですものね。

 そして、なんといってもあこがれのふみこさん、奈緒さんとお目にかかる事もできましたし。

 皆さんが ふんちゃん て呼びたくなる気持ち納得です

また、おじゃまさせて下さいね。
 

投稿: ベス | 2018年7月 3日 (火) 22時50分

ふんちゃん皆様こんにちは。
私もよく爪が甘いようなことがあります。

これで絶対100点の当たり前度を高めていこうと
仕事復帰に向けて励んでいます。

聞いてください!坊や1週間前までできなかった
手づかみでおせんべいが食べれました!
それがすごく嬉しくて嬉しくて!
毎日成長して違う坊や。元気でいてくれたらそれでいいからね、と思える日でした。

投稿: たまこ | 2018年7月 3日 (火) 14時31分

ふみこさま。おはようございます。

わたしも。。キャップとかうちの2人はギュッとしめるので
ゆるいと私が使ったとわかるそうですー。ふふ。
良くひきだしもちょっと空いてたりってどういう気持ちなんだろうか
などと娘は観察してるみたい。
ある扉を変えたらソフトクローズの機能がついているので
いきなりピシャッとしまらないで。。最後のところは減速して
ちゃんと閉まるという感じがちょっと奥ゆかしくていい感じ
なので。。手がこの感じをいいと判断してどのドアやひきだしにも
応用しようとしているんだと思う。。ふふ。
(それは引き出しくんもむりですよーなんてね。。)

ソフトといえば。。
ソフトな企画編成を得意とする記者のおかげで
最初はふりまわされたが。。なんだかんだいっても
人の持っている力がとけあったりからみあったりして
生まれてくるものっていいなと思うので「へーどうするつもりよ」
なんて言いつつもすこーし気長におもしろがれうようになってきた事が
この2年間の大きな収穫かも。。2年前の七夕に感謝。感謝。
心から温かく応援してくれたふみこさんに大感謝。
今年ももうすぐ七夕ですね。
(笹の代わりに風船かずらくんすごい勢いだからそこに短冊つけるつもり)


投稿: 真砂 | 2018年7月 3日 (火) 10時19分

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