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2021年5月18日 (火)

くまがや日記②

5月◯日
 気がつくと、口からぽんぽんと飛びだしている。
「あり?」
 家のなかで蟻(あり)と遭遇したわけでも、「あり」という名前の猫と暮らしはじめたわけでもないのである。
「あれあれ」というあれ、だ。
 驚いたとき、不審に思うときに発する、あれ。
 それが口からは「あり?」となって飛びだすのは、「あれ?」とやると、まわりが「どうしたどうした」と心配するから、変化球となったものかもしれない。
 とくにいまは大工さんたちも近くにいて、「あれ?」なんて云おうものなら、みんなが「なんだ、どうした」という顔を向けるだろう。

 引っ越してきてからの夫とわたしの居住スペースは、8畳間4つの「田の字」の座敷と、そのまわりを囲む廊下と、奥の納戸の部屋。そう書くとそう狭いことはない、ということになるけれども、そこには先代、もっと云えばご先祖さまたちの荷物が残っている。
 先代たちの荷物と、わたしたちの家具を詰めこむと、異界のような空間が生まれる。
 なだらかに云い換えるなら、バトンタッチワールドということになろうか。引っ越しの段ボールの半分近くは物置に置いてある上、居住スペースの家具も仮置きだ。ということもあって、朝から晩まで……、あるときは夢のなかでまで「あり?」「ありあり?」を連発しながら、わたしは過ごしている。
 夫とわたしは、まず、先代の荷物と家具の片づけをはじめた。お互いに約束の仕事を抱えながらの片づけは、ちょっとしたゲームのようだ。
「はい、ここまでー。わたしは原稿を書きまーす」
「新橋に打ち合わせに行ってきまーす」

5月◯日
 熊谷市内の家庭ゴミを持ちこめる衛生センター(燃えるゴミ)と一般廃棄物最終処分場(燃やせないゴミ)があり、そこに軽トラックで捨てるものを運ぶのに、それぞれ3往復。
「捨てる」「処分する」が胸をチクチクさせるが、そんなことは云っていられない。「これから先は、『捨てません』」と誰に向かってなのか誓いつつ、軽トラックの助手席にわたしは坐っている。
「お父ちゃん、お母ちゃん、残したものはずっとずっと大事にします」

5月◯日
 大工さんたちは午前8寺半にやってくる。
 家でいつもひとり仕事をしているわたしは、突如として仕事仲間を得たようで、そわそわする。なんだか、うれしいのだ。
「おはようございまーす」
 とつい、叫ぶように云う。
 工事は家の3分の1を占める土間と、外まわりで行われている。
 ここに浴室、台所、そしてそしてわたしの仕事場ができる。
 設計者であり現場責任者でもあるコイドさん(70歳代前半)に、わたしは頼む。
「押入れのなかに洋服を吊るすポールをつけてほしいです」
「それと、その上に棚も」
「あ、ここにもポールをお願いします」
 おねだり婆である。
 おねだり婆のねがいは、コイドさんから大工の親方(棟梁)のナカジマさんに伝えられ、そうして実現する。
 仕事仲間を得たようだなんかと云っているわたしは、ねだるばかりで、大工さんの邪魔にならないように気をつけるばかりである。
 邪魔……。
 そういえば子どもの時分から、わたしは大工さんが大好きだった。一家で移り住んだ1960年代の東京郊外といえば、そこにもここにも家が建つ、という時代。よその家の建築現場をまわって遊んでいたっけ。あの頃も、子どもごころに大工さんの邪魔をしないように、と気をつけていたが、きっと邪魔にはなっていた。しかし邪魔にされることはなかった。危ない目に遭わないように気を遣ってもらってはいたけれども。
 お昼休みに、大工さんたちがお弁当をつかった(弁当をつかうという表現と、とんとご無沙汰している)あと、弁当箱のふたにやかんのお茶を注いで飲むのを見て、こっそり真似したことがある。

 みかん箱くらいの大きさの衣装ケースふたつに、おやつを詰めておくのが、いま、おねだり婆にできる唯一のことである。

5月◯日
 自転車で川に洗濯へ。
 洗濯機も使えないので、川ならぬコインランドリーに行く。自転車に乗っていたら、たのしくなってきて、わたしは歌う。
「おばあさんはー、川にー、洗濯へいくのですー」
 でたらめなうたを歌っているうち笑いがこみ上げてきた。ゲラゲラッと笑うが、こういうときマスクは便利だ。ひとりでゲラゲラやっている女なんていうのは、恐ろしい存在であろうところを隠してくれる。
 それに、ここには知ったひとがまだあまりいないから、気も楽だ。
 もといたところには知り合いが多く、「さてきょうは、誰にも知ったひとに会わずに駅まで行けるでしょうか」という遊びみたいなことをしていたけれど。
 ここにもだんだん知り合いがふえるだろうか。

5月◯日
 日曜日。
 大工さんはお休み。つまらないなあ、と思いながら仕事をしたり、片づけをしていると、門のほうで声がする。
「ふんちゃーん」
 誰だろうか。
 見ると、東京の友だちのシュウチャン一家がならんで立っているではないか。群馬県に出かけた帰りに寄ってくれたという。
 うれしくてちょっと泣きそうになる。
 そうでなくてもシュウチャンは、わたしたちのキャンプのせんせいで、ここへ来てからの「半分キャンプ生活」のなか、何度おそわったことを思いだしていたかしれない。

Photo_20210518093101
アルバムを整理しながら見ていたら、
こんな写真を発見。
夫にも、いつの時代の誰の写真かわからないというけれど、
この、子どもたちの表情と云ったら!
みんなうれしそうに、にこにこ笑っている。
小学校の入学式の記念撮影だろうか。

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コメント

ふみ虫さま

住まいをしながらの
改築はたいへんだと思います。
暑くなってきたし
おつかれが出てると思いますが

過ぎないようにしてくださいね。

大工さんは子供のころから
近しくありました。
木材の匂い
板を機械で削ったりしたあとの
くるんくるんと丸まった
木の皮、カンナくず
端材で作ってくれた積み木
懐かしいことばかりです。

工場の壁にかけられた
収納された
カンナ、ノミ、刃物たくさん
子供が立ち入ってはいけないエリアでした。

冬はドラム缶に端材や木屑を入れて
暖をとって、ヤカンがかかっていました。

職人さんたちのゴツゴツした手。

無事にふしんがおわりますように^_^

投稿: 寧楽 | 2021年5月18日 (火) 10時17分

ふみこさま

写真の子どもたち。
にこにこ笑顔いっぱい❗

見ていたら、なんだかうるっときました。
いつの時代でも、子どもたちには笑顔でいてほしいと願います。

大工さん、いいなぁ。

投稿: こぐま | 2021年5月18日 (火) 10時39分

ふみこさま

こんにちは。おじゃまをいたします。>先代、先先代のみなさまのものの要不要の区別
捨てる・処分に心が痛む、けれどそうは言ってはいられない< 本当に、うんうんと
似たような作業に連日追われている身として、うなづくばかりであります。

人は、そんなにたくさんのものを抱え込むことはできないものなのですね。

去年は、ふみこさまに"朝顔ともだち"と言って頂きました。
今年は、"かたづけともだち・かたづけなかま"と呼ばせて頂いてもよろしいでしょうか?

かたづけの只中かと思われますが、朝顔もそろそろ種まきがギリギリの頃かと。

手放す(捨てる・処分)の一方で、種まき(育つ・増える)もの、いかも季節限定のものは
気持ちがなごみます。よろしかったら、今年もぜひ、朝顔もお忘れなく。

あり?あり?続きの日々の中、良い梅雨・良い初夏の日々になりますように。

投稿: なおなお | 2021年5月18日 (火) 11時17分

ふみこさま

なんと可愛い可愛いお写真!
見ていたら思わず、にっこりを通り越して、嬉しくなり、涙が出てしまいました。
久しぶり、子供の満面の笑いを見た気がします。
先生が面白いお話をしたのでしょうか。
温かいお写真見せていただき、ありがとうございます!

お家のお片付け、お疲れ様です。
大変なことです。自分以外の人のものを片付ける時の、チクッとした罪悪感。私も義父母、両親の家の片付けで、感じた複雑な感情。
でも、きっと、ご先祖さまはふみこさんにかたずけてもらって喜んでますよ!

大工さん、私も大好きです。
生意気盛りのころ、家の修理に入ってくれた職人さんに、ちゃんと挨拶をするよう母に叱られたことが、今も忘れられません。
母は職人さんを大切にする人でした。
今は、とてもその気持ちがわかります。


お仕事も持ちつつ、ご主人と作業、
お疲れが出ないようにしてくださいね。

熊谷日記、とても楽しみです!
なんだか、ワクワクして、エネルギーをもらいます。
梅雨になりますが、順調に進みますように。

投稿: じゅう | 2021年5月18日 (火) 11時19分

寧楽 さん

そうでした……。
寧楽さんは、その世界の「神聖」も、
「約束」もそして、「育」も知っておられますよね。

大工さんのお仕事は神事だな、
と思う日日がつづいています。


投稿: ふみ虫。 | 2021年5月18日 (火) 16時05分

こぐま さん

さすがこぐまさん。
よくみつけてくださいました。

いい笑顔でしょう?

子どもたちの笑顔のために
こぐまさんの創作も活動も
ありますものね。

昔もいまも、
子どもの笑顔は宝です。


投稿: ふみ虫。 | 2021年5月18日 (火) 16時09分

なおなお さん

片づけ友だちのなおなおさん、
ゴミを捨てに行き、いまさっきもどりました。

捨てる日日のなかで生まれるのは、
「持ちたくない」という思いです。

もともと持ちものは多くないと思っている
わたしですが、引越しをはじめてみると、
意外に荷物があるのに驚きました。
幸い引越しまでに助走の期間があったので、
自分たちの荷物はかなり整理して
やってきたのですが……。

なんにしても、
この2か月あまり、あちらでもこちらでも
捨ててばかり。

「持つ」が恐ろしいわたしです。

仲間のあることが、何よりうれしい……な。

投稿: ふみ虫。 | 2021年5月18日 (火) 16時22分

じゅう さん

おやさしいことばをありがとうございます。

「皆さま、ごめんなさい」
「お母ちゃん、許して」
と、あちらの世に向かって、
手を合わせています。

なんとか許してもらって、
ここで一所けん命暮らすことで、
とり戻すことにします。

何を……?
モノの価値を超えた、スピリット……かな。

ありがとうございます、じゅうさん。


投稿: ふみ虫。 | 2021年5月18日 (火) 16時28分

ふみこさま


おはようございます。

キラキラ光るふみこさんのスピリット
この家を愛してくれてありがとう!ってきこえてくるようです。

フフ。。雨の音はどんな感じでしょうか?
近くにある日本民家園でも雨の日縁側の軒下で雨のしずくが
水たまりに落ちる音とかすきです~。
雨の日がおおいので。。ブラームスの「雨の詩」よくひきます。
そうそう第二主題の「ふぁふぁ~そらみふぁそしれれ~ら。。」
のところ喜びあふれていてふみこさんが川に洗濯の♪♪おもいうかべて
しまいました~。大好きなメロディーです。
ブラームスさんのスピリットとふみこさんのスピリットのなかで
あそんでみました~。

あと私も主人の実家かたづけていたときに弾いた「夢のとびら」
途中から違う展開になり。。あや?あり?なんて
別の世界のとびらがあいたり。。ふしぎな感じ懐かしくおもいだし
たりして楽しかったです。ふみこさ~ん。またお話たのしみにしてま~す。では楽しい一日おすごしくださいね。

投稿: 真砂 | 2021年5月19日 (水) 07時21分

真砂 さん

「おばあさんはー、川にー」
と歌いながら、真砂さんなら、
これをすぐ音符にできちゃうんだけどなあ、
なんて(音符にするほどの歌じゃないけれども)、
思っていました。

きょう川に洗濯に行ったら、
混み合っていました。
みなさん、「乾燥」めあてです。
雨つづきだからなあ……。

投稿: ふみ虫。 | 2021年5月19日 (水) 10時30分

ふんちゃん皆様こんにちは。
大工さん威勢がいいますか、トントン出来上がっていく様は気持ちがいいですよね。

私もおうちができる度に見に行き
惚れ惚れしたのを思い出します。


私はあんまり要望は出さず基本的なことにおさえ
ただ家族4人でのびのび暮らしたいと願いました。
その思いがおうちに反映されたような
木のぬくもりのあるおうちです。


子供との向き合う時間が普通に増えて
ぶつかるこど増えました。

どうして言うこと聞かないの?と。

これもまた乗り越えていきます

投稿: たまこ | 2021年5月19日 (水) 12時53分

くまがや日記ありがとうございます。
手元に置く物と手放す物を決めていくのはすごくエネルギーがいります。
私も鳥取に行くたびに少しずつ整理しています。母が見ていないような時を見計らって そーと処分します。私達もこんな思いを子供達にさせないように受け継いだものは大事に使い 買う時はよくよく考えて買わなくては、、といつも思います!!ふみこさんも くれぐれもお疲れが出ませんように、、、
 鳥取だよりです。
5月の連休頃に母の姉の49日の法事で鳥取に行って来ました。母も何とか出席出来てほっとしていましす。
例年この時期は高速が混雑するので避けていたので気が付かなかったのですが 庭の端の方に白い藤の花がたくさん咲いていて驚きました。
夢の世界です。母に聞いたら 前からあったけど いつもそんなに咲かないのに 今年は少しおかしい!!といいます。ああ、、きっと伯母さんが見せてくれたんだ、、と1人納得しました。
私の場合は 庭の仏様 ですね。

投稿: ann | 2021年5月19日 (水) 17時07分

たまこ さん

「のびのび暮らす」

この基本方針が定まったこと、
よかったねー。

わたしはねえ……。

「おもしろさを、分かち合って暮らす」

かな。

投稿: ふみ虫。 | 2021年5月21日 (金) 10時49分

ann さん

ああ、ああ、ほんとうにそうですね。

伯母さま、ありがとうございます。
白い藤の花……というだけで、
うっとりします。

花ことばを調べてみたら、
「歓迎」
「優しさ」
「決して離れない」
「恋に酔う」
ですって。

やさしいけれども、強い意志を
思わせますね。

投稿: ふみ虫。 | 2021年5月21日 (金) 10時54分

おはようございます。

けさは ピカピカとまでは
いかないけれど うすい雲をとおして陽ざしは穏やか
梅雨の合い間のひと休み といったところでしょうか。

サボっていたマッサージに出かける途中の公園で 小学生かな?くらいの男の子が どうやら隠れんぼ中らしく 大きめの石のかげに身をひそめていました。
こちらからはまる見えだけど 
なんだかとても楽しそうで 見ているほうの口もとも自然とゆるみました。

おばあさんは川へ洗濯に…
わたしも これからは特に乾燥のためコインランドリーに通う
時期となりそうです。
今でも 洗い場が設けられている地域は大根の土や青菜を洗ったり…日常生活のなかに そういう場所が当たり前にある風景を TVなどで懐かしく観ることがあります。
現代の洗濯場は 井戸端会議みたいなにぎやかな空間でなく 何か掟のように 挨拶もことばも交わすことなく それぞれじっと空をみつめて 機械が終了時間をつげる音を待っている、知らない同士で会話することは苦手ですが こういう間には 心がもじもじしてしまいます。

花粉症や黄砂などの影響で
天気がよくても部屋干しするひとが増えていると知りました。
風に吹かれたタオルや
ふかふかに干したお布団の
お陽さまの匂い
だんだん遠くなってゆくのかなぁ…

マッサージの帰り
おなじ公園のそばをとおると
土手の草刈りがされていて
青草のかおりがただよっていました。

投稿: こんぺいとう | 2021年5月22日 (土) 11時21分

こんぺいとう さん

川に洗濯もけっこうたのしくて、
わたしの目的は「洗濯」だけなので、
そのあいだ、そこらで買いものしたり、
偵察したりしています。

「大型洗濯機」
「大型乾燥機」
「大型洗濯乾燥機」
「スニーカー洗濯機」

いろいろあって、おもしろいですねえ。
雨空の日は、乾燥機が混んでいます。

投稿: ふみ虫。 | 2021年5月22日 (土) 20時50分

ふみこ様

くまがや日記を 読んでいて
わくわくです。
天気と相談しながらの 工事。
使えない水回り
きっと たいへんと思うのですが
ほんとうに 読んでいて 楽しいです。

でも お忙しいですね
なので 今日は この辺で
また来ます!

追伸・・・エゾハルゼミが鳴き始めました 初夏です。  

投稿: えぞももんが | 2021年5月23日 (日) 13時29分

ふんちゃんへ

くまがや日記を楽しみに読ませていただいてます。
土間もあるんだ…。とか。
今はこのへんをトントンされてるのかな…。なんて。
梁はありますか…?
古民家は立派な梁もあるお家が多いですよね。
いいな!いいな!
何よりも楽しまれてることが伝わります♪

とっても素敵な写真ですね。
どんなに嬉しいことがあったのかなぁ…みんなにっこにっこ笑顔です!
拝見しながら私もにこっとしてました。
ふんちゃんありがとうございます!!

先週木曜に半年振りくらいに卓上織り機に糸を張りました。
教室も自粛のお休みがつづいてるし、何だかバタバタして織り物から遠ざかってました。
日常は落ち着いて来たけど、私の心がざわざわしていたので向き合えませんでしたが、やっとスッキリしました!
糸を張ったら時間を見つけて織り続け昨日仕上げました。
簡単なストールですが満足!満足!!
楽しい時間でした♪


投稿: ハチミツ | 2021年5月23日 (日) 16時45分

ふみこさま。みなさま。
あー、なんて素敵な写真でしょう笑顔がいっぱい。
お一人お一人の子どもたちのお顔に教えて、なにがおかしいの?と話しかけるようにゆっくりと眺めさせてもらいました。
輝いている瞳の向こうに見えた
笑いは子どもたちを幸せで包んでくれているようです。
見せてもらった私まで笑顔になりました。
子どもの頃から大工の家に生まれました。
家の近くには工場があり、
高校を卒業した学生さんがご両親に付き添われて父のところに
弟子入りしてきます。
庭の中にある離れに弟子さんは寝起きしてました。
父のことを親方、親方と呼ぶので
私も弟も一緒に親方と呼んで育ちました。
食事も一緒。1年中、家の中に他人がいての暮らしでした。
時に職を身につけるきびしくさを
父である親方と弟子さんの関係から学んでいたような気がします
弟子さんが泣いていたときもあった。黙って、黙って見ていた。
弟子開けするとまた違った学生さんが来ました。
1年中、作業着姿だった子煩悩で
きびしかった父からは木くずの匂いがしていました。
弟が後をつぎ現在も父の工場を守ってます。
大工という職人を貫き
自分はボロをきても子どもには
教育を受けさせると語っていた父
そのおかげで大学まで通わせてもらいました。
仕事が終えた夕食には弟子さんやみんなでビールを飲み
親方、親方と呼びあった時間を
くまがや日記でしみじみと思いださせてもらいました。
私も心の中の親方に会えました。
きっと、すてきな時間が待っている暮らしになります。
くまがや暮らし。

投稿: ユリの木の花子 | 2021年5月24日 (月) 14時34分

追伸
仕事が終わって一緒に親方を囲んでビールを飲んだのは年季開けしたお弟子さんたちです。
昔はお正月なると独立したお弟子さんが挨拶に見えて
本当に節度がありました。
窮屈な家でもありました笑

投稿: ユリの木の花子 | 2021年5月24日 (月) 15時21分

ふみさまみなさまこんにちは~~~

ふみさまの『くまがや日記』が、たくさんの広場に寄っていらっしゃる方々のよき想い出を導き出してくれていますね。

ふみさまは『新しい生活』をはじめようとされていますが、それはどこか懐かしい、温かい、優しい時間を今までの時間の上に塗り固めていくような雰囲気の感じがします。ちょうどこの冬私がだんなさんと実家の砂壁に珪藻土を塗っていくような・・・。


そして、囲炉裏端でおしんこつまみ、お番茶をいただきながらごろり横になってみなさまのお話を聞いている気持ちで読ませていただきました。(もうすこしお行儀よくしてね!(笑))


私にもあります。古民家の想い出。
私の父方のおばあちゃんちが今私が管理している空き家実家から徒歩20分くらいのところにあって、(そのおばあちゃんの裏山の土地を少しいただいて父が実家をたてたのですが)、おばあちゃんちはその土地の父の姓の本家だったのでがっしりしていて、ニワトリや豚さん、牛さんも飼ってました。おぼろげながらの記憶ですが、まさに8畳4間が真ん中に集まっている間取り、周りに板張りの廊下、その廊下の奥にお手洗いがあって(当時は汲み取り式でとても怖かったきがします・・)お手洗いからでたところに、手を洗う水をためてある提灯みたいなバケツっぽいものがぶら下がっていて、先っぽの棒を手のひらで押すとお水がでてきて手を洗える仕組みになっていて。(みなさんわかるかなあ・・・つたない説明でお恥ずかしい・・・(;^_^A)
横にぶらさがっている豆絞りで手をふきながら
『すごく便利で素敵。この手をあらう機械・・・』と多分4歳くらいだったと思うのですが感心して『欲しいなこれ』と、思った記憶があります。(笑)
夏に帰省していたときはで蚊帳の中で家族で寝かせてもらい、冬に帰省したときは火鉢にあたるおばあちゃんの横でお餅やおせんべいをやいてもらっていたような・・・すごーーく立派なお仏壇も壁にしっかりつくりつけで、その上には私の知らない人たちの遺影がたくさん飾ってあって、広い土間で長男のおよめさんがお料理をしていた風景・・・
きっと『熊谷日記』をよませていただかなかったら、私の記憶の奥底でクウクウねているだけの想い出となっていたでしょう。
しばし、時がさかのぼり父、母、私と潤がひろーーーーい縁側に腰かけておばあちゃんちの広い素敵なお庭を並んでみているような気持にしていただけました。

便利な都会、大好きなおうち、すごしてきた街、頼れるご近所さん、なじみのお店・・・

そこから巣立った新生活。
普通だったらものすごい決心と、覚悟、不安や、想い出の物達とお別れする疲れも引きずりながらのお引越しのはずなのに、

ぜんぜん力みが感じられなくて・・・さらりと日記にしたためていらっしゃる。そしてうらやましいくらい楽しまれている・・・。素敵・・素敵すぎ・・・


これからも古いものたちにかこまれながらのピカピカ新生活(笑)
元気と勇気をたくさんいただけそうです!!

無理をせず、身体大事にしながらお過ごしください!


追伸
明日スカーレットの子供たちの種を撒く予定!ちょっと遅くなりましたが、いよいよです!!

投稿: おきょうさん | 2021年5月24日 (月) 16時02分

えぞももんが さん

「大変ですね」
「……がんばって」

と、自分ぶ向かって声をかけつつ、
たのしんでいる、といったような
毎日です。

「不便」が気づかせてくれる事ごとが
ありがたい。
これがいちばんかもしれません。

投稿: ふみ虫。 | 2021年5月24日 (月) 19時16分

ハチミツ さん

おお、ハチミツさん、やったね。

手仕事の世界に生きるひとは、
こころの「ざわざわ」」も、
作業の一瞬一瞬に織りこんでゆけるのですね。

ハチミツさんみたいに、
わたしたち、がんばろうね。
と、思いました。
日日の暮らしを編むことも、
手の仕事ですもの!

投稿: ふみ虫。 | 2021年5月24日 (月) 19時20分

ユリの木の花子 さん

ほんとうに昔から
大工さんが好きなわたし。

その環境で育たれたユリの木の花子の
魅力も、なるほどそうだったのかと、
思っています。

きょうも、しばし親方(棟梁)のそばで、
作業を見ていました。
つい、拍手なんかします。

「いや、ここは拍手するほどのことじゃないよ」

(かっこよ過ぎ……)。


投稿: ふみ虫。 | 2021年5月24日 (月) 19時27分

おきょうさん さん

「手水(ちょうず)」?

さて、いま綴っていることが、
皆さんの思い出や、未来への夢と
関わっていることを示してくださり、
どうもありがとうございます。

ひとは「お互い」だということ、
分かち合いながら生きたいという気持ち
(分かち合えそうもない相性があったとしても、
それは静かにそっとしておくとして……)。

この広場で学ばせていただいて、
まずはここなでたどり着いたわたしです。

感謝。


投稿: ふみ虫。 | 2021年5月24日 (月) 19時50分

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