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2022年6月21日 (火)

大しゅうかーく!

 田植え。
 祭りを待つ気持ちで、その日を待つ。

 水入れ、代掻(しろか)きを経て、6反を2日がかりで植えた。
 東京の友人たちが名乗りを上げて手伝いにきてくれたのはうれしかった。そのなかに小学3年生がふたり——ひとりはチカチャン、ひとりはハルフミクン——混ざっていた。

 1日目の午後と、2日目の午前中に田植え機で、夫が苗を植える。このとき、田んぼの端で、田植え機に苗を積みこむのが〈7人娘〉のうちの上から3番めの萌である。長いこと、おじいちゃんの田植えを助けてきただけあって、手際がいい。
 おばあちゃんが残してくれたもんぺも似合っている。
 この姿を、おじいちゃんとおばあちゃんはどこかでこっそり眺めて、目を細めているのにちがいない。こちらからは見えないだけで。

 2日間のわたしの役目はごはんとお茶当番。
 田んぼから離れてのひとりのしごとはちょっと孤独だが、作業する人びとや、どこかで田植えを見守っている見えないひとたちのことが、しきりに思われる。
 おそらくこの日は、あの世とこの世の架け橋が、台所あたりに存在していたのだろうか、ちょっとにぎやか。にぎやか、と云っても面倒な気配はなく、泉のほとりに立っているような心持ちになっている。
 庭で1日目は7人、2日目は13人。そろって昼ごはん。

 そうして2日目の午後には、東京から助けにやってきてくれた友人たちの、大活躍がはじまる。祭りの山場。田植え機では植えられない田んぼの外側のぐるりを、手植えしてゆく場面だ。
 裸足で「ニュウ」と、田のなかに足をさしこむと、一瞬自分がヒトでなくなったような気持ちになる。ヒトでなければ何か、と問われても困るけれども、土の精に近づく感じだろうか。
 初めて「ニュウ」を経験するチカチャンとハルフミクンは、どうだったろうかと、台所で洗い物をしながら想像する。
 後片づけを終えて、田んぼに様子を見に行くと、すでに手植えは終わっていて、機械が植え損なった隙間をみつけて植える、最終的な段階にまですすんでいる。誰も彼もすっかり慣れて、あぜ道ばかりか田んぼのなかの歩き方もうまいこと。

 3時のお茶のあと、もうひと働き。
 畑の草取りだ。ここにはわたしも参加することができた。
 そこにじゃがいもが植わっているとはわからないほど、草がのびている。そこにチカチャンとハルフミクンとともに挑んでゆく。

「大しゅうかーく」
 と、ハルフミクン。しゅうかくというのは、雑草のことなのである。
「中しゅうかーく」
 と、こんどはチカチャン。

「小しゅうかーく」
「やばい根っこしゅうかーく!」

 田んぼでは、しきりに蛙が鳴いている。


***
2日目の昼ごはんにつくった「ドライカレー」のレシピを、ここに置いておきます。おいしいですよ。

ドライカレー(4−5人分/おかわりできます)
合挽肉(ナツメグを混ぜておく)………………500g
玉ねぎ(みじん切り)……………………………2個
人参(みじん切り)………………………………1本
しょうが(みじん切り)……………………大さじ2
にんにく(みじん切り)…………………………2片
ピーマン(みじん切り)…………………………4個
ベイリーフ…………………………………………2枚
カレー粉………………………………………大さじ4
ソース………………………………………大さじ2
サラダ油…………………………………………適宜
塩………………………………………………小さじ2
こしょう……………………………………………適宜
しょうゆ………………………………………小さじ2
ブイヨン…………………………………………2個
トマト(水煮缶/トマト4個でもよい)………1缶
ヨーグルト……………………………………1カップ
プロセスチーズ(ころころに切る)……………3枚
干しぶどう(みじん切り)…………………大さじ3

*野菜のみじん切り、粗くてかまわないのです。わたしはフードプロセッサーを使っています。

①鍋にサラダ油を熱し、ニンニクを炒める(弱めの中火)。
②玉ねぎ、にんじん、しょうがを加えて炒める(中火)。
③ピーマンを入れる。
④ここでちょっと強火にして、合挽肉を加えて炒める。
⑤中火にもどし、カレー粉の半量(大さじ2)、ソース、塩、こしょう、しょうゆを加える。
⑥ブイヨンとベイリーフを入れる。
⑦トマト、ヨーグルト、チーズを入れ、カレー粉の残り半量を加える。
⑧干しぶどうを加える。

*煮こむカレーではないので、にんじんやピーマンが苦手なひとにも食べてもらえるところが気に入っています。
*仕上げに生クリームか牛乳を少し加えると、味がまあるくなります。
*田植えの日、これを3単位こしらえました。残りはそれぞれお土産に。

Photo_20220621063401
田植えの終わった田んぼを、
日に何度も見に行きたくなります。
蛙がうれしそうに、大合唱です。
わたしも歌っちゃおうかな。

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コメント

ふんちゃん皆様こんにちは。
うーんステキな風景!うちのお隣もこんな感じなので親近感湧きます!


さて、産休まであと少し。やっておきたいことを進めています。
あとは子供と笑顔でいることかなー?

投稿: たまこ | 2022年6月21日 (火) 10時18分

たまこ さん

産休まで、もう少し……。
がんばれ、がんばれ。

笑顔がまぶしい夏になりますね。

投稿: ふみ虫。 | 2022年6月21日 (火) 13時57分

ふみ虫さま

田んぼに植わったたくさんの苗
水鏡に映った景色。

そこに携わったひとたち。

ご飯をこしらえ続けたふみこさん。

賑やかさと忙しさと
たいへんさと、楽しさが
伝わります。

お米ができるまで
どれだけ、手をかけないといけないのか
農家ではなかった、私には知る由も
ありませんが

秋にたくさん、実りますように!

毎日、食べてるお米
だいじにいただきます^_^

投稿: 寧楽 | 2022年6月21日 (火) 14時39分

ふみこ先生、みなさま

こんにちは。
梅雨本番です。
朝は小降りでしたが昼前、夫と出かけると本降りとなり、夫に言われる前に「ごめん」と
あやまっておきました。
雨女、やっぱり健在です!

雨の日々ですが、三番目王子に頼んで藤井風のブルーレイを手に入れました。
雨も楽しい梅雨ごもりです。

最近は、せんせいのおうちのような田植え風景を見なくなりました。
いつの間にか、静かに機械で田植えが終わっています。
田植えの時期になると病院の待合室で毎年耳にする会話

「あんた、今年は米を作りんさるかね」
「もう誰も帰って来んし、農協に頼んで子どもらに送る分と自分達の分だけ作るんよ」
「どこも同じじゃなあ。もう体がきつうて田んぼの世話もできんようになった」
過疎化する町の現実です。
せんせいのおうちの田植え風景、すばらしいです。いつまでも続きますように。

せんせいの返信の時間を見て驚いています。お体大切にしてくださいね。
あられ、局地的豪雨、地震、もう空の上で地の底で何が起きているのでしょか?
一日一日大切に生きていきたいと切に思います。
せんせい、みなさまもご自愛ください。

投稿: 岡山のこんちやん | 2022年6月21日 (火) 15時35分

ふみこさま

チカチャンとハルフミくん
素敵な経験でしたね~!
はるくんもやりたがるだろうなぁ。
私は、アマガエルが大好きでした。
ちっちゃい頃、よくつかまえて遊びました。
最近、あまりみなくて寂しいです。
カエルの鳴き声もあまり聞かなくなりました。 ちょっとさみしいです~。

投稿: こぐま | 2022年6月21日 (火) 16時42分

ふみこさま みなさま

暑くなってまいりました。
すこし動きまわったら汗が流れてきます。

田植え風景 懐かしいです。
小さいころ、遊び気分で手伝った記憶があります。農家に嫁いだ母には苦労の日々であったようですが。

当時の田んぼにはどじょうがいたり、タニシやイモリもいました。
よく働いた手をみると なんだか胸がいっぱいになって目と鼻がツーンとなります。
「壬生義士伝」の最後の章は涙ながらに読みました。母の目に涙はなかったけれどお百姓はむかしから報われない、というようなことを呟いていましたっけ。
美味しいごはんを頬張ると日本に生まれてよかった〜と心から思います。炊き立てのごはんと梅干しがあればいうことなし!な気持ち

人差し指くらいの毛虫が松に何匹もいて全身総毛立ちながら取り除きました。デッカいアシナガバチがブンブンするし、虫は見慣れてるつもりでも仲良くはできないなぁ、アチラさまもその気ないだろうけど。

投稿: こんぺいとう | 2022年6月21日 (火) 19時39分

ふみこさま

おはようございます。

ひろびろとした田んぼのお写真いいですね。
わたしもこっそりみにいきたくなります。ふふ。

うちも20年前くらい友人にさそわれて稲城市の田植え
のお手伝いを娘とさせてもらったこと懐かしいです。
幼稚園児の娘はどうかな~と思っていたのに
砂遊びが大好きだったせいか。。知らない大人のかた
からやり方おそわって土のなかたのしそうで、
おまけにかえるやざりがにも手で捕まえて遊んでいて
こちらがびっくりしたのでした。
主催してくださった方がそうめんを用意してくださって
本当に祭りのようでした~。
(ふみこさんのおみやげつきのドライカレーの味もこどもたちずっと心に残るでしょうね~)

偶然先週まだあのたんぼはあるかな~とみにいって
みたら。。。ありました!!
子供たちの賑やかな声をそうぞうしてうれしくなりました。ふみこさん今朝も田んぼ見に行かれましたか?
うちも朝見たら朝顔たちあさひもに好き勝手に絡みついて楽しそうでした~。ではいい一日になりますように。

投稿: 真砂 | 2022年6月22日 (水) 06時54分

ふみこさま。みなさま。
あぁ、なんて清々しいのだろう。
空があり、乾いていた土には水がはられ、植えられた苗に風が吹いていく。
田植えが終わった光景のお写真をずーと、眺めていました。
私も嫁いだ家もお米を作っていました。
田植えとなると亡姑が前日から手伝いの人のお昼の支度。
大きなやかんや必ず、きめし
クチナシで色をつけた黄色のごはんでした。
夜は神棚に苗をひと束、飾り
手伝いの人を招いて夕飯。
まるでお祭りのようで、とんでもない家に嫁いだものだと思いましたが。
ふみこさんの大しゅーかくを読ませて頂き、ジーンとしました。
あの日のじいちゃんやばーちゃんみんなの声が聞こえて来る思いがしました。
こんなの食べたいなと思っていた
レシピ、ドライカレー
今までも昆布巻きや黒豆ごはんのおむすびなど教えてもらったことを書き残してありますが今回も書きました。
さっそく、作りますね。
秋には新米でおむすびが沢山作れますね。
田植え、お疲れさまでした。
一緒に万歳!

投稿: ユリの木の花子 | 2022年6月22日 (水) 10時42分

ふみこさま、みなさま、こんにちは。

ふみこさんの文章を読んでいたら、清々しい気持ちになりました。
皆さんとの田植えや草取り、大変だけど楽しそう。
そして、ドライカレーとってもとっても美味しそう!

裸足で「ニュウ」は、一度だけ体験しました。
息子の幼稚園では、年長さんになると、
もち米の田植え、稲刈り、脱穀、餅つきまで一年通して手作業で行う行事があり、子供たちはもちろん、親もみんな初体験で。
「ニュウ」は子供たちより大人の方が「ひゃあ」「きゃあ」言ってましたね(笑)
その日のことを懐かしく思い出しました。
子供たちと色んな体験ができたことは本当に宝物だなって思います。

うちの周りも田んぼがたくさんあるので、
毎日蛙の大合唱です。
もう少し暑くなれば、セミの大合唱も始まりますね。

投稿: さゆ | 2022年6月22日 (水) 13時00分

寧楽 さん

田んぼの水鏡のうつくしさを、
あらためて噛み締めています。

ここに関わることができて、
しあわせでした。

ちちとははの仕事を手伝っていたときとは
異なる感慨に包まれています。

秋には小麦もつくります。
ご飯とパンとが手をつなぐみたいでしょ。

投稿: ふみ虫。 | 2022年6月22日 (水) 18時20分

岡山のこんちやん さん

田植えを手放す辛さを抱える
土地も、ひとも、
年年ふえてゆきます。

が、一方でそれをしてみたいと考える
若いひとたちもふえています。
これほど創造的な生き方があるだろうか、と
思いながら、応援。

投稿: ふみ虫。 | 2022年6月22日 (水) 18時24分

こぐま さん

蛙の声は、
未来を語るような気がします。
なんとか、元気でいてほしい、と
祈りましょうね。

ものがたりで、祈ってくださいね、
こぐまさん。

投稿: ふみ虫。 | 2022年6月22日 (水) 18時26分

こんぺいとう さん

そりゃあ、大きな毛虫です。
ごめんね、ごめんね、と云いながら、
本日、わたしも毛虫を焼きました。

佳い日日を。

(毛虫退治、よくなさいました)。

投稿: ふみ虫。 | 2022年6月22日 (水) 18時29分

真砂 さん

きょうは、
机上で田植えに似た仕事をしたのと、
庭仕事をちょっとしたのと……。
田んぼまで行っていません。

夜、ひっそり見てこようかな。

投稿: ふみ虫。 | 2022年6月22日 (水) 18時31分

ユリの木の花子 さん

このドライカレー、おいしいよー。

えへへ。

投稿: ふみ虫。 | 2022年6月22日 (水) 18時33分

さゆ さん

そうそう、セミのことを忘れていました。
セミの大合唱がやってくるのだわ!

季節は、どんどん進んでゆきますね。
進みながら、ひとを励ましてもくれます。
それをもう少し、つよく信じて、
暮らしてゆきたいです。

投稿: ふみ虫。 | 2022年6月22日 (水) 18時37分

ふんちゃんへ

毎日暑いようですが、体調大丈夫ですか…?
そして梅雨明けもしたとか。
セミが鳴く前に夏バテしてしまいそうですね…。
御身体くれぐれもご自愛下さい。

田んぼの写真いいですね。
拝見してから近くの田んぼまで散歩しました。
私が育ったところは寒くて稲は育たない所でした。
稲の育つようすや田んぼの景色を見るのが大好きです♪
秋の小麦も楽しみですね!

週末に美郷町というところに白いラベンダーを見に行きました。
『美郷雪華(みさとせっか)』と名前がついてるそうです。
青紫色のラベンダー『さきがけ』の突然変異でうまれたのだとか…。
そこから大切に育てて白と紫のラベンダー畑になったと思うと感慨深かったです。

暑い熊谷のふんちゃんに少しでも涼しい風を感じていただけたらいいな…。

投稿: ハチミツ | 2022年6月27日 (月) 12時44分

ふみさまみなさまこんにちは~~~~!!

梅雨がね、明けてしまったみたいですよ・・・
ここ2日の空は、

『これ、絶対夏でしょ』


と自信もって言えていたので(またまた、汗だくだくで実家の草や、大きいだけは大きな実家の家屋の掃除などと戦っておりました・・)かなり納得の梅雨明け宣言ですが、
この時期が1年で一番苦手な時期が過ぎ去ったのは嬉しい反面

雨・・・降らなかったなあ・・・・( ;∀;)

とちょっと心配もあります。

土がカラカラでスカーレット3世君たちも、連日気が付くとショボンとしていて「アラ大変!」とお水ばかり撒いております。日記がスタートするのももう少し先になりそうです。がんばれ3世君たち!

2日がかりの田んぼ、畑お仕事、おつかれさまでした。
楽しい様子が伝わってきます。

外のお庭仕事って結構無心で黙々とやってしまうので、水分補給や、ちゃんとした食事、休憩は、本当に大事。
それをせずに頑張りすぎちゃうと知らぬ間に身体が悲鳴をあげて動けなくなってしまいます。

農家の方や、植木職人さん、大工さん、などがきちんと早朝からお仕事始め、10時のおやつ、お昼休み、3時のおやつ、仕事おわったあとは早めにお風呂に入り20時には寝てしまう・・・

理にかなった働き方なんだなあ・・と身をもって感じます。

ので
ふみさまの台所仕事は本当に今回のみなさんの田植え、草刈作業の大切なポジションだったと思います。
ドライカレー・・・食べたい。
早速近いうちに作ってみます!!

お写真の苗のみなさま、
秋の大収穫めざしてがんばれ~~~~!

そして、ニュウを体験できた小学3年生にとっても、それはそれは大収穫な時間でしたね。


明日もあさっても、かなりの暑さのようです。みなさまご自愛くださいね。
私もたくさん食べてたくさん飲んでます!!

投稿: おきょうさん | 2022年6月27日 (月) 12時56分

ハチミツ さん

熊谷は暑い暑いと云われ、
皆さんに心配していただき、恐縮しています。

ここには、田畑をわたる風があります。

古い家は木陰みたいなところもあって、
夏の成熟がたのしめます。

田んぼでは蛙が大合唱。
その歌に励まされています。

投稿: ふみ虫。 | 2022年6月27日 (月) 13時37分

おきょうさん さん

そうなんです。

「ニュウ」の子どもたちに、
稲刈りまでのあいだ、何度か田んぼを
見せてあげたい……のです。

呼びつけて、田んぼを見せて、
草とりを手伝ってもらうなんて、
魔女みたいだね。

投稿: ふみ虫。 | 2022年6月27日 (月) 13時39分

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