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2022年7月12日 (火)

愛情/愛情/愛情

「愛情不足だなあ……」
 思わずわが唇からこぼれたつぶやきだ。

 自分で云っておいて、ちょっと驚く。
「愛情」ということばをふだんあまり使わない。感情、感慨、思考の一切を団子のようにまるめて、分析しようともせず「愛情」に集約して、それでいいことにするという曖昧さを嫌ってのことだ。
 子どもを育てていたときでさえ、そのことばよりも、「食べる・着る・遊ぶ・眠る」を考えていたような気がする。

 そのとき、わたしは庭を眺めていた。
 この庭を大きくふたつに分けると、東側は和風、西側は洋風である。洋風のほうにはキッチンガーデンを擁していて、ベビーリーフ、ロメインレタス、コリアンダー、アーティチョーク、コールラビ、フェンネル、スイスチャード(フダンソウ)などが植えられている。
 庭をデザインするササキシンイチさんが考え考え植えてくれたから、頼りなく、わたしはこんなふうに訊く。

「ササキさん、この真っ赤な茎のは何? どうやって食べるの?」
「ああ、それはスイスチャード。スープに加えると、抜群においしい!」

「ササキさん、これはフェンネル? 茎が太ってきたけど、食べられる?」
「茎はどんなふうにも食べられる。サラダにもスープにも、味噌汁にも」

 いま、わたしを悩ませるのは、草とりと散水である。
 命ある相手に対して、時間がつくれない、なんていう云いわけなどできはしない。
 草ボーボーで、スズランが見えなくなったエリアに目をやりながら……、乾いた土を踏みながら……、力なく「愛情不足だなあ……」とわたしはつぶやいていたのだった。
 土への愛情。植物たちへの愛情。実りに対する愛情。季節とともに去りゆくものへの愛情。あたらしい命への愛情。虫たちとの、鳥たちとの抜き差しならぬかけひきへの愛情。
 すべてが、足りない。

 庭ばかりではない。
 原稿書き。メールや書状への返信。書類の処理。エッセイ講座のあれやこれや。それに家のしごと——すべてに、同じことが云えるような気がしてきて、一瞬背筋が寒くなる。
 ひとのすることには才能系統のこともある。努力系統のこともある。遊び系統も、休息系統も。
 だが、それらはすべて「愛情」あって初めてはじまることなんじゃないだろうか。おそらくは我慢のようなことも、「愛情」とつながって、実現するところのものだろう。

 さてところで。
 机仕事をはじめる前の、朝1時間に草とり。
 ホースに器具をつなげるスプリンクラーでの散水。
 これで、なんとか愛情問題を乗り越えようとしています。

Photo_20220712083301
畑の入口に、
春、タネを蒔いた 
ひまわりが……、咲きました。

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「日記」カテゴリの記事

コメント

ふんちゃん皆様こんにちは。

愛情。まさに子育て真っ最中なので
それは愛情が含んでいる行動か?と考える日々です。


先日長男と2人きりで過ごしました。
なかなか2人であることがないので
とても嬉しそうでした。
それもまた愛情かな?

投稿: たまこ | 2022年7月12日 (火) 10時19分

ふみこ先生、みなさま

こんにちは。
気まぐれに黒い雲が近づいて来て雨を降らせ、またまたわたしが出かけるとバケツをひっくり返すような雨が、、、、。
でも、おかげで野菜も花も元気になり水を貯めるタンクもバケツもプラスチックの漬け物おけ(おばあちゃん、ごめんね)、捨て火鉢にも水がたっぷりです。
二、三日、水やりも夫の水運びもひとやすみできそうです。

せんせい、草ぬきお疲れ様です。
こちらは、ようやく草に埋もれたスイカやみぞはぎが顔を見せてくれましたが、畑の草取りをしている間に庭はまた、、、、、、。このくりかえしです!

義父や義母の大切にした畑や花にしっかり向き合うようになって、心から生命あるものが愛おしくなってきました。
まあ、毎朝出合うクモの巣バリアには、「おっと!」と声も出ますが!

雑感

「自分の当たり前は、誰かの努力で当たり前になっている」
先週、心ひかれた言葉です。

未来ある子ども達に影を落とすような出来事がこれ以上起きないことを心から思います。

投稿: 岡山のこんちゃん | 2022年7月12日 (火) 11時57分

ふみこさま

愛情。
あらゆるものに注げたらいいですね。
なかなかむずかしいけど。
最近、短歌を作っています。
ツイッターもはじめました。
短歌をつぶやいています。

今日作った一首。

離乳食ぱくぱくごっくんたいらげる
さっちゃんみたいに生きなきゃ私も

投稿: こぐま | 2022年7月12日 (火) 20時52分

ふみこさま

おはようございます。

畑の入り口のひまわりくんにパワーもらえそうで
いいですね。高いところから畑を見守ってくれている
ようですね。

愛情といえば。。
自分への愛情をわすれないように部屋のあちこちに
ブルーのデルフィニウムと黄色のオンシジュームを
かざったらいい気がながれてゆったりとした気分で
とりくめるのでいい感じです~。
余裕がなくなると作業が雑になるし。。「やってあげてるんだからね~も~」なんていうこころにあるものが
簡単につたわってしまうので。。ふふ。

そうそうふみこさ~ん。うちのベランダのかまきりくん
ピンクの朝顔のはなのなかでお昼寝してました~。
つるをのばしたあさがおがふらふらしていたらふうせんかずらくんがまきひげをぐい~~っとのばしてささえて
いてくれて。。そういう光景を見るとパワーもらえますね。優しい気持ちがうまれてむかしからのお友達に
ささ~っと手紙かいたりしちゃいました。
ではふみこさんみなさんもいい一日おすごしくださいね。

投稿: 真砂 | 2022年7月13日 (水) 06時58分

ふんちゃんへ

愛情が足りない…。
そう思ったのですね。
愛と愛情。
これも微妙にニュアンスが違いますよね。
すべてのモノ、コトに愛情を…。
そう思い過ごします。
ふんちゃんいつもありがとうございます♪

今、新幹線で盛岡へ向かってます。
雨の予報でしたが、降ってません。
意外と晴れ女なのかもしれません。
グレーの空に山や草の緑が映えて素敵です。
スカッと晴れたブルーの空もいいけど、色々あっていいんだな…なんて景色をボーっと眺めながら思ってぃました。
何にフォーカスするかで見え方もかわりますよね。
盛岡では織物の講座に参加します。
楽しみ♪
覚えが悪いので一日レッスンを無事に終えられるかどうか…。
行ってきます!

投稿: ハチミツ | 2022年7月13日 (水) 07時59分

たまこ さん

子どもは、母と1対1というのを、
うれしがります、よ、ね。

それから、母がいるときには
きょうだいげんかをするけれど、
いないときには、しないのも不思議でした。

投稿: ふみ虫。 | 2022年7月13日 (水) 12時13分

岡山のこんちゃん さん

どうにも机をはなれられないことも少なくなく、
はなれられる!と思うと、
わたしには家のしごとが待っています。

でも、先日、日が落ちる直前、
田んぼの草とりをしました。
心身が浄められる思いがしました。

投稿: ふみ虫。 | 2022年7月13日 (水) 12時16分

こぐま さん

お、短歌!
好きだわあ。

わたしも!
と叫んでいます。

投稿: ふみ虫。 | 2022年7月13日 (水) 12時17分

真砂 さん

朝顔の花のなかで昼寝。
それはしてみたいなあ。

親指婆。

投稿: ふみ虫。 | 2022年7月13日 (水) 12時19分

ハチミツ さん

いまごろはもう学びを一区切りさせて
お昼かなあ。

よく出かけました。
えらい!

うらやましい!

投稿: ふみ虫。 | 2022年7月13日 (水) 12時20分

ふたたびふんちゃんへ

今は秋田行きの新幹線の中です。
お返事頂いた頃は地元で有名なお蕎麦屋さんでかき揚げ盛りそば食べてました。
美味しかったです。

講座楽しかったです♪
久しぶりに「はじめまして」と挨拶をしました。
今回はいつも使っている機械より高度な織り方ができる機械を使いました。
単純な私は「これ欲しい!!」と思ったのですが、織り終わった後に先生から「今ある機械でまだまだ色々な織り方ができますよ!」と言われました。
もっと自由に好きなように織って楽しめばいいんだよ〜そう言われた気がします。
盛岡も面白そうな街でしたが、今回は遅れないで新幹線に乗らなきゃ…と駅で30分ほど待っていました。

盛岡での講座参加に最初はあまり良い顔をしなかったのですが、今朝いつもより早く出て最寄り駅まで送ってくれた夫に感謝です。
帰ったら大きな声で心を込めて「ありがとう!」と言いますね。

投稿: ハチミツ | 2022年7月13日 (水) 16時03分

ハチミツ さん

大きな声で心をこめて「ありがとう!」

これに勝るものはないですね。

わたしも、「ありがとう!」
これは ハチミツさんに。

投稿: ふみ虫。 | 2022年7月14日 (木) 17時16分

ふみさまみなさまおはようございます!!

少しだけお久しぶりの広場になりました。
実は今月2日に私がピアノ講師をさせていただいてから初めて、一人の生徒さんが虹の橋を渡ることになりその門出を見守らせていただいておりました。

19歳で講師になり、前の先生から引き継がせていただくことになったとにかく元気のよい男の子。当時は幼稚園の年中さんでした。

享年40歳でした。

練習はあまりしてこない彼でしたが、頭がよく運動神経も抜群、人前でも堂々とふるまえる度胸もあったので、いつも発表会は最後の最後の追い込みレッスンで、舞台袖ではドキドキハラハラなのですが、何食わぬ顔で本番はバッチリ。
一躍ヒーローになっちゃう彼に

「あのね、がんばったの私なんですけど~」

といつもおこごといいながらも、楽しく先生業、させていただいておりました。

高校まで習いにきてくださり、大学、社会人になられて、それはそれは立派になられたのですが、全然変わらすうちに遊びにきてくれては娘らと遊んでくれたり、私のテキトーな料理もパクパク食べてくれたり。世間の事態が収束したら、またおいでよね~と次に会える機会を楽しみにしていました。


早いなあ、急ぎすぎだよ。でもきっと虹の向こうの世界でも大活躍してゆくんだろうなあ・・と思います。
一足先に行って地固めしているのかも。潤やかっちゃんにも会えたな?きっと会えたよね。今日は雷もなるとの予報だから私の父も大歓迎しているのかも。

心配ないね。

こちらの世界でも残されたご家族とは、がんばって手を取り合っていきますから、ご心配なく。


今週初めに送り出してから、こちらはずっとお天気が雨。

私もかなりお庭に愛情不足だったので本当に雨に感謝しています。
スカーレット達も生き生きしています。→次回からスカーレット3世の日記はじまります。ご期待ください。(笑)


ひとつひとつの事に愛情を。
それは行動や言動に表すというわけではなく心で思うだけでもフワッと伝わって広がっていくような気がします。
ふみさまのお庭への思いもきっと和のお庭、洋のお庭にそれぞれフワっと伝わっている気がします。

なのできっとお仕事前の1時間の草取りの時間。ふみさまからお庭に蒔いた愛情と同じくらい、きっと食物たちもふみさまに愛情を降り注いでいてくれたのかもしれません。その光景を想像するだけでこころがあたたかくなります。


私もこのお休みで、態勢たてなおし、9月の発表会にむけ始動はじめようと思います。ちょっと遅くなっちゃった(;^_^A


この広場で旅立った洋ちゃんのことをお話するのは、どうしようと思ったのですが、彼の事、やっぱり自慢させてもらいたくてお話させていただきました。

『ビズリーチ 社長』で検索してみてくだい。たくさんの洋ちゃんの作り上げた素敵な世界、あたたかいご家族を知っていただくことが出来ると思います。

投稿: おきょうさん | 2022年7月16日 (土) 10時38分

おきょうさん

おきょうさん せんせい、どうもありがとうございます。
記していただいて、よかった……な。

ほんとうにほんとうに佳い縁を紡いで、
洋ちゃんは旅立たれました。
音楽と、
佳き業績と、
家族との思い出と、
ともに……。

おきょうさん せんせい、
辛いけれど、役割があるから、
元気でいてください。

わたしにできることがありましたら、
おしえてください。


投稿: ふみ虫。 | 2022年7月17日 (日) 01時03分

ふみこさま。みなさま。
雨があがり夏の空が広なりました
ひまわりの花、暑い夏の日にみると元気になれて好きです。

こんな時こそ
こんな時こそ、冷静にならなければならないと自分に言い聞かせてます。
夫がコロナに感染してしまいました。
スーパーも書店もない静かな田舎の集落で感染者、第1号なのかも知れません。
受け止めなければならないのに
しばらく複雑でした。
しっかり感染対策はしていたのに
冷静に。
夫はそのままの家に
私と王子は亡祖母が使っていた家にしばらく移り、食事を夫に運んでます。けして会わないで。

昨日の夜は何年かぶりに
布団を並べて王子と同じ部屋で眠りました。
一緒に暮らしていても、ゆっくりと日頃、話せず
夜中の1時すぎまでいろんなこと王子と話しました。
コロナになった夫のことも案じて

今日、88歳になる実母が電話で
こんな時こそ
お父さんお大事にお世話してあげてねと言われ、
私は夫に愛情不足だったのかも
愛情をもっとかけてあげなければならなかったのかも
ごめんねと思えて来ました。

あと数日、
辛抱の時間を送ります。
普段出来なかったマンガや読書めゆっくり出来そうです。
みなさんのおたよりもゆっくり
読ませてもらいます。

この経験を無駄にしないで
外に出る日がきたら思いっきり夏の空わ見上げたいと思います。
頑張れ、父さん
頑張れ、私
頑張れ、王子

みなさんもくれぐれもご自愛なさって、ステキな夏をお過ごし下さい。

投稿: ユリの木の花子 | 2022年7月17日 (日) 16時00分

ユリの木の花子 さん

コロナ感染症のなかにだって、
得難い経験と、価値がある。
……と信じたいと思います。

1日も早く回復し、
あともすっきりなさいますように。
祈っています。

やさしい日日を。

投稿: ふみ虫。 | 2022年7月18日 (月) 11時18分

ふみこさん 
ちょっとご無沙汰してしまいました。そっとみなさんのお話聞いてました(^^)

場所をお借りします。

ユリの木花子さん 祈っています。うどん県の、おうどんをお送りしたい気持ちです。ごはん 作って届けるお役目、応援しています。
弟が先月 陽性になりましたが 元気に元の生活に戻っています。

大丈夫 ユリの木花子さん!

投稿: 背の高い松の木 | 2022年7月18日 (月) 19時37分

ふみこさま。
心に響くお言葉をありがとうございます。
娘夫婦には仕事を数日、休ませることに。ごめね。
ごめんねとラインする。
弟には買い物を任せて配達してもらっている。
迷惑かけてなんて思わなくてもいいのかな?
甘えたり、たよったり、心配かけたりしてもいいんだよとみんながやさしかった。

この場をお借りします
背の高い松の木さん
元気になれました。
お優しいメッセージ、とても力になりました。
コロナに感染しないために
私、2年半近くも電車に乗ってないのです。
いつか、この場の広場のみなさんときっと会える日があるような気がしてます。
心の緊張がとても心地よいものに変わりました。
ありがとうございます。

投稿: ユリの木の花子 | 2022年7月18日 (月) 20時18分

ユリの木の花子 さん

頼ったり、頼られたり。

……それは、空気と同じ意味。

投稿: ふみ虫。 | 2022年7月18日 (月) 21時28分

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