うしろを見る

　このところ、自分が書いたものを読み返している。
　久しぶりに本をつくろうということになって、必要に迫られて読み返している。

　8年前から最近のもの。
　8年前、7年前、6年前のを読むと、「誰が書いたんだ、これ」と疑いたくなる。いやに回りくどく、厚みがある。厚みと云っても、芸に厚みが出たな、というのでなく、「ここは少し削って、均したほうがいい」と思わせるような、うるさい厚みなのである。
　……8年前から、やはりわたしは変化してきたのだ。進化と呼んでみたいが、それはどうかなあ。まだわからない。
　近年のわたしは、書くものも、着るものも、つくるもの（これは料理や手仕事の類）も、さっぱりしてきた。
　何かを少しずつ脱いできたのかもしれない。

　うしろを見るのがわたしは苦手だが、ほんとうはたまにこれをするといいのだろう。過去の自分と対話をするのは、こそばゆいが、愉快でもある。

「もっと、さっぱりとゆけなかったのかしら」
　自分の書いたエッセイの、回りくどい箇所を読みながら、思わず云う。
そうね。でもこれもひとつの道のつくり方だと、わたしは思ったの」
「そこから、ここまで歩いてきたのね。ありがとう」
「ありがとうって、わたしはあなた。あなたはわたしなんだけど……。でもうれしいな。こちらこそありがとう」


庭に二十日大根（白）、のらぼう菜、レタス、きゃべつ、ブロッコリ、
スナップエンドウのタネを蒔きました。
自分たちの食べる分です。

写真は二十日大根。
１週間あいだをあけて、３回蒔きました。

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