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2022年12月の投稿

2022年12月27日 (火)

100字随想 12月

書こうとする礼状、返信が溜まる。原稿の締切と同じだ。いやちがう……もっと切実に書きたい。ハガキ、封筒に先方の宛名だけ書いておく。こうしておいて、気持ちが「そこ」へ向かうとき書く。人生のよろこびとして。(100字)


映画「The First SLAM DUNK」を観る。「スラムダンク」は、バスケを知らないひとの人生にがつんと共感を植えつける。オフェンスとディフェンスが11の攻防戦をくりひろげる。わたしだって自分と。(99字)

*バスケの「1対1」は「1on1(ワンオンワン)」と呼ばれる。


ホッキョクグマは、ぶらぶら歩きまわりながら冬眠するのですってさ。海が氷に覆われるのを、代謝を下げつつ待っている。凍ったら、獲物のアザラシに襲いかかる。こんな冬眠なら、わたしにもできそうではないか。(98字)


2022年はよく遊び、よく働いた。散歩、[書く・読む・話す]。旅、[書く・読む・話す]。映画鑑賞、[書く・読む・話す]、……時間はどこでつくったか。ちょいと睡眠時間から拝借。来年、借りた分、返すね。(99字)。


2023年のことだけど、思いきって生きよう。やりたいことを片端からやって、しくじって、やりたいことをみつけてまたそれをやる。やってみるのは大事だが、しくじってもしくじってもあははと笑うのはもっと大事。(100字)

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ことしもこの広場に集ってくださいまして、
どうもありがとうございました。

みなさま佳い年をお迎えくださいまし。

喪中につきわたくしは、年賀のご挨拶を
ご遠慮申し上げますが……、元気に2023年を
はじめたいと思っています。

「うんたったラジオ」は、2022年のうちにアップいたします。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

山本ふみこ

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2022年12月20日 (火)

柚子のタネ水

「冬至」
 1年のうち、昼間がもっとも短く、夜がもっとも長いころ。

 拙著『暮らしと台所の歳時記』を書架からとり出し、冬至の項を開いてみた。自分の仕事はどんなものでも、あとから見直すことをしないわたしが、これだけはときどき、ひっぱり出す。
 2週間で書き上げたからだろうか、隠しようのない自分が本のなかにそのまましゃがんでいるようで、可笑しい。その可笑しみに、わたしは気を許すのかもしれない。

 二十四節気「冬至」の章扉をめくると、「乃東生」ということばが出てくる。これは二十四節気をさらに三等分した七十二候である。
「乃東生」は二十四節気「冬至」を構成する初候、次候、末候のうちの初候ということになる。なつかれくさしょうず、と読む。夏枯草(ウツボグサ)が芽を出すころ、の意だ。

「麋角解(さわしかのつのおる)」、「雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)」とつづく。そうして二十四節気は「小寒」へとうつろってゆく。

 拙著の「乃東生」のページに、ハンドクリームのはなしがあった。料理をするから手に香りや油分がつくのを嫌い、ハンドクリームに手がのびない、と書いてある。それで、柚子のタネ水をつくるというのだ。
 ……忘れていた。

 どうしてわたしは、ときどき「暮らしのだいじ」をこんなふうにすとんと忘れるのだろう。首の上にのっかっている頭部のなかに脳みそも入っているはずなのに。

 柚子のタネ水
 柚子のタネを洗わずに、焼酎を注いだ瓶にためてゆく。
 ひと月で効果的なハンドクリームならぬ、ハンドタネ水ができあがる。
 タネをためながら、どんどう使う。
 常温に置くことができる。

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11月下旬に蒔いた麦が、芽を出しました。
まさに「雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)」
です。植物は寒さに耐えながら、
じっと春を待っています。

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2022年12月13日 (火)

日記 2022年12月

12月□日
 落ち葉の季節。
 家の後方にある屋敷林は主として欅(けやき)で、その葉がどんどん舞い落ちてくる。掃き集めたと思って、見ると、すぐにまた溜まっている。
 いや、落ち葉を集めて堆肥場に運ぶのは夫であり、わたしは、それを眺めては「ああ、またか」と思うのである。

 昨夕、取りこんだ洗濯ものをたたんでいると、くつしたのなかから欅の葉っぱが出てきた。干しているくつしたのなかに、舞いこんだのね。
「当たり!」

 落ち葉といえば、先週はベルギーから葉っぱが舞いこんだ。友人が、落ち葉を封筒に入れて送ってくれたのだ。
「当たり!」

 落ち葉の下では、虫が冬眠している。
 落ち葉の下では、虫が冬眠している。


12月□日
 10月まで稲田だったところが、いまは麦畑になっている。
 麦蒔きしたのは11月の後半だ。
 麦蒔きの作業を少しも手伝えなかったが、「前田んぼ」の「麦畑」にひとりで行って、麦踏みの真似ごとをしてみた。そろそろ芽が出るころだ。
 麦踏みは何度か行うと聞いている。根張りをよくするため、霜よけのため、あとは……、わからない。いまは実際に足で踏むことは少なく、ローラーをかけるんだそうだ。(ローラーとは、どんなものだろうか)。

 横向きになって、カニ歩き。
 前向きなって、外股歩き。
 靴底で、すっかり踏むため、こんな格好になるのである。

 麦さん麦さん、待ってるよー。

 向こうで、カラスの夫婦が、くちばしで土をつついている。
 土のなかで、数日後にも発芽しようとする麦のタネを食べるのだ。
(少しだけなら、まあ、いいか)。


12月□日
 古着屋で鉛白色(えんぱくしょく)のワンピースを買う。
 サッカーの生地の、袖なし。
 夏のワンピースである。

 わたしはときどきこんなふうな買いものをする。
 ひとつかふたつ先の季節のものを買うのだ。
 ちっちゃな未来のたのしみのために。いつもはあさってより先のことは考えないけれども。


12月□日
 このところひどく忙(せわ)しない時間がつづいている。
12月」の仕業だろうか。
 忙しないのがつづくのは困りものだが、いいこともある。
 悩みや心配事が忍び寄ってきても、悩んだり心配したりするために時間が割けない。

 奴らに向かって云うのである。
「あんたらと遊んでるひまはない」


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堆肥になった昨年の落ち葉と、ことしの落ち葉。
堆肥は畑にすきこみました(夫)。

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ふみ虫舎エッセイ講座の追加募集を終了します。
たくさんの皆さまに「案内書」を求めていただきました。
どうもありがとうございました。

「案内書」は手にしたものの、
「ふみ虫舎エッセイ講座」への入会の決心がつかず、
考えておられる方の分は、ご入会を待つともなく待っております。

2022年は「書く」ことの奥深さが、いっそう身に染みる1年でした。
そんなこともあって、追加募集をしてお仲間をふやし、
研究をつづけたいと考えたのです。
どうもありがとうございました。

ふみ虫舎  山本ふみこ

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2022年12月 6日 (火)

冬眠気分

 12月という月は、どうしてだか忙(せわ)しなくなる。
 いっそ、13月と呼んでみたらどうだろうと、思ったりして、暦をめくりながら、「131日」なんて云ってみたら、すぐさま脇腹のあたりをツンツンとやられる。

12月ですぞ。13月ではなしに」

 12月の主(ぬし)がたしなめにかかる。

「わかっていますってば」

 13月をつくって、忙しなさから逃れる作戦をしくじったわたしが、つぎに思いついたのは「冬眠」だった。本格的な冬眠が無理でも、冬眠気分になることくらいはできそうではないか。
 ムーミン一家の場合、11月から翌年の4月まで冬眠する。長い!「お腹のなかに、どっさりとまつ葉をつめこんでから」冬眠する。
 半年近く眠っていることも、まつ葉を食べることも、わたしにできるとは思えないから、気分だけ冬眠。

(どうすれば、冬眠気分になれるだろう)

 そう考えながら庭の椅子に腰をおろす。
 寒かったので、家のなかにもどって厚手の上着をはおってから、ふたたび椅子の上に。あたりは静かだ。芝の上には落ち葉が山となっている。そういえば今朝方夫が集めて積んでいるのを見た。これは裏の堆肥場に運ばれる。
 前年の落ち葉でできた堆肥は、畑に運ばれた。うつくしい循環である。
 落ち葉のなかには、虫たちが眠っているだろう。堆肥のほうには、カブトムシの幼虫がいっぱいいたという。
 二十日大根(白)が大きく育ってきた。間引いた大根葉もおつゆにしてすっかり食べたな。右方には、秋に種まきをしたベビーリーフが、芽を出し育っている。そろそろこれも食べられるだろう。
 小松菜、きゃべつ、ブロッコリー、スナップエンドウも順調。
 そんな風景を眺めるだけでも、じゅうぶんに冬眠気分といえる。そんなふうに思えてくるから不思議だ。

 12月は、雑誌やしんぶんの原稿の締め切りが常よりも早くなる。
 新聞社、出版社、印刷所のお休みを確保するため、「年末進行」となるのである。そろそろ立ち上がって仕事にかかろう。
 それでも、ひとつかふたつ仕事をやり遂げたら、またここへきて坐ろう。5分間でも坐って、冬眠気分をつくれば、慌てん坊のわたしも健やかに12月を生き抜ける。

 冬眠気分をつくるコツは「坐る」である。
 できるだけ外気に触れて坐る。

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庭に坐っているとき、気がつきました。
芽が出ています。
ニンニクの芽。

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