日記 2022年12月
12月□日
落ち葉の季節。
家の後方にある屋敷林は主として欅(けやき)で、その葉がどんどん舞い落ちてくる。掃き集めたと思って、見ると、すぐにまた溜まっている。
いや、落ち葉を集めて堆肥場に運ぶのは夫であり、わたしは、それを眺めては「ああ、またか」と思うのである。
昨夕、取りこんだ洗濯ものをたたんでいると、くつしたのなかから欅の葉っぱが出てきた。干しているくつしたのなかに、舞いこんだのね。
「当たり!」
落ち葉といえば、先週はベルギーから葉っぱが舞いこんだ。友人が、落ち葉を封筒に入れて送ってくれたのだ。
「当たり!」
落ち葉の下では、虫が冬眠している。
落ち葉の下では、虫が冬眠している。
12月□日
10月まで稲田だったところが、いまは麦畑になっている。
麦蒔きしたのは11月の後半だ。
麦蒔きの作業を少しも手伝えなかったが、「前田んぼ」の「麦畑」にひとりで行って、麦踏みの真似ごとをしてみた。そろそろ芽が出るころだ。
麦踏みは何度か行うと聞いている。根張りをよくするため、霜よけのため、あとは……、わからない。いまは実際に足で踏むことは少なく、ローラーをかけるんだそうだ。(ローラーとは、どんなものだろうか)。
横向きになって、カニ歩き。
前向きなって、外股歩き。
靴底で、すっかり踏むため、こんな格好になるのである。
麦さん麦さん、待ってるよー。
向こうで、カラスの夫婦が、くちばしで土をつついている。
土のなかで、数日後にも発芽しようとする麦のタネを食べるのだ。
(少しだけなら、まあ、いいか)。
12月□日
古着屋で鉛白色(えんぱくしょく)のワンピースを買う。
サッカーの生地の、袖なし。
夏のワンピースである。
わたしはときどきこんなふうな買いものをする。
ひとつかふたつ先の季節のものを買うのだ。
ちっちゃな未来のたのしみのために。いつもはあさってより先のことは考えないけれども。
12月□日
このところひどく忙(せわ)しない時間がつづいている。
「12月」の仕業だろうか。
忙しないのがつづくのは困りものだが、いいこともある。
悩みや心配事が忍び寄ってきても、悩んだり心配したりするために時間が割けない。
奴らに向かって云うのである。
「あんたらと遊んでるひまはない」
堆肥になった昨年の落ち葉と、ことしの落ち葉。
堆肥は畑にすきこみました(夫)。
ふみ虫舎エッセイ講座の追加募集を終了します。
たくさんの皆さまに「案内書」を求めていただきました。
どうもありがとうございました。
「案内書」は手にしたものの、
「ふみ虫舎エッセイ講座」への入会の決心がつかず、
考えておられる方の分は、ご入会を待つともなく待っております。
2022年は「書く」ことの奥深さが、いっそう身に染みる1年でした。
そんなこともあって、追加募集をしてお仲間をふやし、
研究をつづけたいと考えたのです。
どうもありがとうございました。
ふみ虫舎 山本ふみこ
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コメント
ふんちゃん皆様こんにちは。
落ち葉を当たりと捉える
ふんちゃんの前向きさ!生活のおもしろさを
楽しんでいるふうに思います。
さて、先日とある発見をしました。
三兄弟がいて大変だと思うことが多かったけど多い分気分転換になること。
例えば長男にイライラしてしまったら
次男と遊んでみる。など。
ひどい親かもしれませんが
いい発見しました
投稿: たまこ | 2022年12月13日 (火) 12時03分
ふみこ先生、みなさま
寒くなってきましたね!
今日は年末の檀家まわりでおしょうにんさまがお経をあげに来て
くださり、ひとつ年末の行事が終わりました。
義母の入所している施設のある病院は、私たちも十年来お世話になっています。
入り口横に大きな2本のケヤキの木があります。
夏は大きな日陰に冬は待合室に裸木の間から暖かい日差しがふりそそぎます。
秋の落ち葉集めは、ちょっとした名物です。
その作業は市のシルバー人材センターの二人のおばあさまが毎日してくださいます。
顔を見るたびに「ご苦労様。集めても集めても落ちて来ますね。」と声をかけると
「失業せんでいいよ」と笑って答えられます。
先日、ようやく散り終わり今年の落ち葉集めが終わりました。
今度は、庭のお手入れをしておられます。
本当に働き者です。そしていい顔をしておられお話しするとわたしも元気になります。
お二人を見て詠みました。
「落ち葉掃く ふり向けばまた 落ち葉降る」こんちゃん
こちらは、市が力を入れて冬の間、刈田のままだった田んぼにもち麦を作り始めています。
農家のことを何も知らないわたしは、義母に「おばあちゃん、冬は少し休める時があって
よかったね」と言ったら「昔は冬は麦作りで一年中休む時はなかった」と言われたのを思い
出しました。
それでは、寒さに負けず忙しさに振り回されずよい日を送ってくださいね。
投稿: 岡山のこんちゃん | 2022年12月13日 (火) 15時04分
ふんちゃん
落ち葉で思い出しました。
1番目ちゃんが、修学旅行に行ったとき。
東京のあちこちで、落ち葉を拾ってきて、
それを「はい。お土産」とわたしにくれました。
「これは、上野公園」、「これは……」と。
最初は、家族みんなで大笑いしたのですが、
なんてステキなセンスなんだ!と
時間が経つにつれて、感動していました。
コロナ休暇のおかげで、
すっかり年末のあれこれがすっとんでしまいました。
なぁんにもする気がしなくなっちゃった~と、
大声で言ったりしています(^^;)。
あれこれ「やらなきゃいけない」コトは思い浮かぶのですが、
「やりたいと思う」コトをやろうと、
ぼんやり考えていました。
やったって、やらなくったって、大差はないさ!
と、自分に言い聞かせて過ごしています。
(カブが入ったスープを作ろう!とカブを買ってきました!!)
社会の流れに合わせて道を歩まないということが
とても不安だという話を耳にすることが増えました。
休学とか、浪人とか……、
そういうのは、コワイ……って。
確かに……、わたしも浪人した時は、
「ああ~、今、事故とかにあったら、
どこにも所属してないから、無職とか家事手伝いとかって出るんだ~」
って、なんだかとっても落ち込んでいたことを覚えています。
友だちが、みんなまぶしく見えたりして……。
今になってみたら……、
大学を卒業するまで、あちこち寄り道したから、
7年もかかっていたことに気づき、
その道中を思い出すと、いい経験できたな~と
ちょっと自慢でもあったりして……。
ここのところ、車を運転していると、
スピードが速い車が多くなってると感じたり、
音楽を聴いていると、スピードが速すぎると感じたり……、
世の中、せわしなくなってる?忙しくなってる?と
感じることが増えました。
それが、ときどき怖いなぁ……って思うほどに……。
だからね……、
最近は、わざとゆっくり動いてみたり、
やらなければならないことを慌ててするのをやめてみたりしています。
(たんなるサボり?(笑))
そうすると、景色がちょっと違って感じられたりします。
「モモ」に出てくる「さかさま小路」に入ったきもちになったりして、
たのしいです。
2浪した1番目ちゃんは、
どうやらようやく模試で安心できる結果が出たとか。
彼は、大学に入る準備が整うまでに3年かかったんだなぁ~、
時間をかけて、じっくりと身につけてきたってすごいなぁ……と
感じます。
寄り道、道草、遠回り……どれもいい響きです🎵
そして、冬は冬眠。
北海道は、雪のおかげで、冬眠モードに入りやすいと発見しました。
畑もなにもかも雪に覆われて、
野菜や麦を育てることもできません。
仕方ないな~って、眠るしかない。
そう考えると、ちょっと面倒に感じちゃいがちな雪も、
ごほうびなのかも……と感じられるようになってきました。
今日は、雨。
この時期にびっくりですが、明日からまた雪予報。
天気も忙しそうです。
投稿: 空色めがね | 2022年12月13日 (火) 15時53分
ふみこさま
おはようございます。
もう12月も半ばなんて!のこの時期ですね。
中庭のけやきもベランダから見える大きな2本のけやきも
見事な色合いの紅葉をみせてくれ、その後の風にのっての
楽しそうな葉っぱの舞も楽しめました。そうなるとケヤキの木って木のかなりしたの方から枝分かれしている!
ことに気がつきます。だから風が吹いたときの踊るような枝のうねりが見れるんだな~なんて。ふふ。
今年もたくさん楽しませてもらってありがとうです。
ありがとうといえば。。いつもこの時期におせわになった方へ早々と感謝のクリスマスカードをかくのでなんだか大切なことを守れたようで心がほっとしてます。
あとは今年はアトリエの部屋の片付けが思いのほか上手く出来たのでこれで良し!なんて満足の私です。
今日は晴れそうですね。ではふみこさんもみなさんも
いい一日おすごしくださいね。
投稿: 真砂 | 2022年12月14日 (水) 07時50分
ふみこさま みなさま
わたしの暮らすところでも気温が下がって本格的に寒い冬となってきました。
早朝の仕事のときには徒歩なので、着膨れてリュックを背負って向かいます。
わたしの仕事は、日常生活の一部をお手伝いするようなもの。
年末年始のせわしなさとは無縁で、もちろん日曜も祝日もなく、毎日をたんたんと送ることが目的、といえるかもしれません。
そんなふうに考えると何気ない時間も確かなものと思えます。
ときおり浮かんでくる不安定な心もちも、なだらかに薄れる気がするのです。
まだ荒野、とも思うわたしの生活を、わたしを待つ空間が支えているのかもしれません。
投稿: こんぺいとう | 2022年12月14日 (水) 08時46分
たまこ さん
いろいろ工夫してみて……すごいね、たまこさん。
子どもは、自分の生んだ子どもにちがいないけれど、
もっと大事なのは、ひとりのひとだということですものね。
ふ
投稿: ふみ虫。 | 2022年12月15日 (木) 09時07分
空色めがね さん
世のなかを見渡しても……、
自らを観察しても……、
忙しいと云って急いでいるのは仕方ないとして、
仕上がる仕事(しごとも)は別次元のものだと
思えます、わたしには。
とにかくひとつひとつ仕上げて
(ごはんか整理整頓、掃除も含め、ね)ゆくことですね。
わたしはあわてん坊だから、
つい急ぎ足になるけれど、
仕事(しごとも)しているときは、比較的冷静です。
それは、仕事(しごとも)がわたしに向かってきて、
対面しているからだろうと思います。
急いだり、あわせたり、焦ったりしているときは
ひとり芝居なんじゃないかな、と気がつきました。
対面すると、あわててなんかいられない。
ただ、「それ」をするだけ、というわたしになれます。
ね、そうじゃない?
ふ
投稿: ふみ虫。 | 2022年12月15日 (木) 09時14分
真砂 さん
ああ、 真砂さんのおたよりを見ていると、
音も、色も弾んでいる。
おかげさまでやっと、
クリスマスを想えました。
飾りつけ(と云ってもささやかですが)はとうにすませているけれど、
こころがクリスマスを弾いていたのですもの。
……ありがとう。
ふ
投稿: ふみ虫。 | 2022年12月15日 (木) 09時16分
こんぺいとう さん
「荒野」と聞くと、
昔歩いたイスラエルの長い道を思いだします。
その風景を見て、
ああ、わたしは荒野が好きなのだわ、風景として。
「美」として受け容れることができるわ、と。
同時に、荒野には、
全知全能の神のような存在が必要になるのだという
実感を持ちました。
なんだか、頓珍漢。
ごめんなさい。
ふ
投稿: ふみ虫。 | 2022年12月15日 (木) 09時20分
ふみこさま
わたしは現実の荒野もイスラエルも知りません。
そして神と信仰どちらが先なのか?と思う程度にしか認識がないです。
それでも神はあってもらわないと困る、とも思います、祈るために。
生まれ育った環境では、火の神、水の神、山の神、天の神、地の神…たくさんいました、ってそういう話ではないか、ごめんなさい。
荒野、ではないけど、曽野綾子の本で、砂漠の夜には、すぐ近くに神の存在を感じる、とありました。
投稿: こんぺいとう | 2022年12月16日 (金) 16時43分
こんぺいとう さん
祈るために。
ほんとうにそう!
ふ
投稿: ふみ虫。 | 2022年12月18日 (日) 14時33分
ふんちゃんへ
寒いですね。
久しぶり我が家でゆっくり過ごしてました。
帰ったら帰ったで「やらなきゃ!」といけんことの山積みでしたが、ひとつひとつ仕上げてようやくひと息ついてます。
鉛白色のワンピース、何だか素敵な響きです♪夏が楽しみですね!
図書館へ行って本を借りてきました。
何ヶ月ぶりでしょう…。
行くタイミングも借りて読む時間もありませんでした。
本屋さんともまた違った雰囲気、空気感で落ち着きました。
年末ですが、時間を見つけて読み進めたいと思います。
岡山のこんちゃんさんへのお返事が見当たらないような…。
勘違いでしたらすいません。
投稿: ハチミツ | 2022年12月18日 (日) 14時40分
ふみさまみなさまこんばんは~~~
鎌倉殿の13人ロスに陥っている日曜の夜です。(笑)
大河が終わると今年もおしまいだなあ・・・
と思いますが、
いやいやまだあと13日もございます!
1日、1日が大切な時間。
じっくり慌てず味わってすごしていきたいものです。
どうも、12月19日から23日まで。そしてクリスマスはさんで16日から29日くらいまでは、
「は~~もう大変、忙しい忙しい、あれもやらなきゃこれもよらなきゃ」
と追いかけられてばかりでじっくりその日1日の時間を味わってあげていない気がしちゃいます。
12月24日、25日、1月1日だけが特別な日じゃなくて、元気ですごせる今日のこの1日が同じ価値。本当にお幸せな1日なのですよね。
今日は父と潤のお墓参りに弟およめちゃんとだんなさんと3人で行ってきました。
まずは集合場所の空き家実家についたとたんに頭上に黒雲。パラパラとみぞれまで降ってきて・・
「あ、父さん来てるな。うれしがっちゃてるな。」と。
今日の天気をネットでしらべるも、またさらに雨雲レーダーで確認してみるも、どっこにも降水情報はなく確立0%なのにね。ふふふ。
そして車で5分のお墓に到着しお寺様にご挨拶をして、お寺の横にあるお墓を綺麗にしているうちに空は雲一つない青空。日が差して穏やかなお天気に。( ´艸`)
本当に絶対に、虹の橋の向こうの世界でみんな楽しくやってるんだなあ・・・・と痛感できたお墓参りでした。
かっちゃんもにこにここちらの世界見守ってくださってますね。『悩んだり心配したりするために時間が割けない。』良き良き。と言ってますね。うんうん。
ふみさまの枯れ葉のお話がすごく素敵で、寒さは厳しいけれど来週はちょっとお庭を綺麗にしながら素手で落ち葉拾いのカサカサを味わいたくなりました。寝ている虫さんを極力おこさないようにしながらそっと拾っていこうと思います。
投稿: おきょうさん | 2022年12月18日 (日) 22時29分
ハチミツ さん
お仲間の皆さんの作品を
読んだ読んで……読んで読んで、という日日です。
それがどんなに貴重なことであるか、
ありがたいことであるか、
ものすごいことであるかを、
感じさせられる日日でもあります。
わたしにとっては、「書く」は、
どんどん自由になってゆく。
それも、読ませていただいているおかげかもしれません。
(こんちゃんに、お返事します。
ありがとうございます)。
ふ
投稿: ふみ虫。 | 2022年12月20日 (火) 08時50分
岡山のこんちゃん さん
こんちゃん、お返事が、どうしたわけか、
抜け落ちました。
ごめんなさい、ごめんなさい。
自分が浮世のことで、ばたついていても、
落ち葉も、麦畑も、庭のちっちゃな畑も、
堂堂としたものです。
その佇まいにはっとさせられ、
きょうは、小松菜を真似して過ごそうとしています。
瑞瑞しく青い感じです。
今朝、庭に採りにいったら、
小松菜たちは直立したまま凍っていました。
凍ったのをひと株掘りつつ、
「わたしも凍っちゃおうかな」
と思いましたとさ。
ふ
投稿: ふみ虫。 | 2022年12月20日 (火) 09時03分
おきょうさん さん
だからさ、虹の橋の向こうの皆さんにも、
たのしんで見てもらえるわたしたちにならないと、ね。
虹の橋の向こうをうらやましく思ってばかりいるような、
そんな日もありますもの。
ああ、あそこに行って、
潤さんの手になる焼き鳥が食べたいな、とか。
お父さまがときどき、みぞれや雪を、
ぱらっと撒く様子を見たいな、とか。
向こうでは、わたし、父や母、弟のかっちゃんに
叱られるんだろうか。
……たのしんでもらおうとする前に、
叱られないように暮らさなきゃ。
ふ
投稿: ふみ虫。 | 2022年12月20日 (火) 09時09分