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2024年3月の投稿

2024年3月26日 (火)

へそまがり肉じゃが

3月19
 東京都武蔵野市のN中学校へ。
 この日は卒業式で、およその大事が終わったころをめがけて、校長室に行く。ところが大事はまだ終わらず、卒業式に出られなかった生徒さんたちの「おひとり卒業式」が行われている、とのこと。少し待って、つぎの生徒さんがやってくるまでの20分間にするりと割りこむ。
 この春ご自身も卒業する校長せんせいに、ひと目会いたかったのだ。

「驚いたことには、わたし、式のはじめにいきなり泣いたの」
「みんなも驚き、そうしてみんな泣いちゃったでしょう?」
「……そうなの」

「おめでとう」の気持ちで渡したいと持って行ったのが、フェイスマスク1箱(32枚入り)とポンプ式のハンドクリーム1本。……ふさわしい贈りものができた、と思う。


3月20
 肉じゃがをこしらえたくなる。
 久しくこしらえていなかったことに心づき、はっとしたのだった。じゃがいもあり、肉あり……うん、つくれそうだと思っていたのに、夕方探すと、じゃがいもは1個しかないし、ほんとうは牛肉がよかったのだが冷凍庫には豚肉しかないし、そういえばしらたきもなければ糸こんにゃくもなかった。

「あきらめないわよ、わたしは」

 豚こま肉。じゃがいも。さつまいも。玉ねぎ。長ねぎ。にんじん。はるさめ。
 これらを集めて肉じゃがをつくる。へそまがりがこしらえる、へそまがり肉じゃがである。
 さつまいもがいい働きをしてくれ、なかなかうまくできたのだ。
 これまでこしらえてきた肉じゃがのなかでもいちばんの出来。

「ものすごく美味しいでしょ」
 脅すつもりはなかったが、食卓で、家人に向かって二度三度と云う。
「美味しいです、ものすごく」


3月21
 ものすごく美味しい、昨日の肉じゃがをなかみとし、オムレツをこしらえる。
 刻んでさっと炒めた春きゃべつをつけ合わせにする。

「ものすごく美味しいでしょ」
「美味しいです、ものすごく」


3月22
 100年ぶりの身体検査へ。
 あまりに久しぶりなものだから、100年ぶりと云ってみているのだが、ほんとうは10年ぶりくらい。
 熊谷市で受けるのは、初めてだ。

 ところで身体検査とは——。
 身体検査と云うと、たいてい「あはは、健康診断ね」と返されるが、あははとは、何だろうか。
 呼び方はどうでも、内容は同じだ。

 尿検査(これは朝いちばんに採って持ってゆく)。
 身長体重測定(ええっ、風袋ごと計るのですか?)。
 問診(聴診器をあてられる。音?を、褒められる)
 採血(ごっそり)。
 心電図(あっという間)。
 血圧測定(高めですね、と云われ、4回測る)。
 眼底測定(血圧が高めだったから、測定となる)。

「身体検査に行ってきました」と娘たちに報告すると、3人とも「それはおめでとう」と返信してきた。
「いえね、結果は2週間後に送られてくるんですよ」
 と伝えるが、「検査に行ったことがね、まずおめでとうよ」という反応。
 無事に身体検査を受けることができて、いい日だった。

 そうそう帰り道、蕎麦屋の暖簾をくぐったのだった。
 あたたかい蕎麦と天丼のセット。
 こういうセットに憧れていたのが、実現した。こう書くだけで、自分のことながらうらやましくなる。蕎麦と天丼だなんて! 
 以前からいつか入りたいと思っていた老舗の蕎麦屋に行くことができ、重ねていい日だった。

Kozue_picture
これは梢さん(二女)が
小学生のときにつくったコラージュです。
雑巾を貼りつけたそうですよ。
この作品が好きで、
ずっと飾っていたのですが、
年を経てちょっと傷みました。

作者の許しを得て、
修復をはじめました。
まず、板にネジで留めました。
つぎは、汚れをとります。

来週までに、できるかな。

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2024年3月19日 (火)

鳩のポーズ

3月11
 10日の東京大空襲の日(1945年)、11日の東日本大震災の日(2011年)ほか、3月はことさらものを思わせ、考えさせる日がつづく。

 今朝、いつものように映像(YouTubeB-life)を頼りにヨガをしていたのだが、初めて「鳩のポーズ」に導かれた。
 初心者の、そして恐ろしくカラダのかたいわたしにとっては、予想外のポーズである。

「右の腕をぐるっとうしろにまわして右の足をキャッチ」
 とせんせいは云うのだが、右の足ってどこ? 右手を宙に舞わせてそこにあるはずの右の足先を探すも……、ない。
 口から恨みごとが洩れそうになる。

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 ヨガをはじめて4か月。
 初めて聞く「鳩」なるコトバに、はっとさせられる。

 平和の象徴である鳩とこんなかたちで、この日出合うなとは。

 かたちこそ実現しなかったが、鳩のポーズに導かれたことに、心が震えた。きつい! イタタタタ! と声を上げながら、平和は、わたしにとって遠い道のりのだとわからせてもらった。
 遠いのが、何だい。
 カラダはかたいが、遠い道をてくてくゆくことなら、できるのだ。


3月12
「もみじの家 ニュースレター」を受けとる。

「もみじの家」は国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)のなかにある。主に医療的ケアが必要な子どもと、その家族が最長9泊10日滞在できる医療型短期施設。
 その施設は、重い病気を持つ子どもと家族がそのひとらしく生きることを、目標としている。

「もみじの家」との出合いは、こんなだった。
 愚痴をこぼしながら、文句を口からあふれさせながら、「自分の時間がない」「自由がない」「……こころが折れそうだ」なんてことを云うわたしの口に、いきなりみたらし団子が5本突っこまれた!
 いかにみたらし団子を好きなわたしだって、いきなり、5本だ。
 卒倒しそうだった。

 24時間ほとんど途切れないケアが必要な子どもたち——医療的ケア児。

 このことは理解できる。

 家族は、そのケアを担いつづける。

 ケアが必要なのはわかるけれども、それを、家族だけが担うのか。
 そこだ、わからないのは。それを支える制度がこの国にないのは、なぜなのか。支援したいというねがいが生まれにくいのは、なぜなのか。
 知らないからなんだと思う。
 わたしも知らなかった。

 知るきっかけをもたらせてくれたのは、NHKの人気アナウンサーだった内多勝康さんだった。
 NHK時代に「クローズアップ現代」の番組づくりのなかで、医療的ケア児の現実を知った内多さん。2016年に30年間在籍したNHKを退職し、「もみじの家」のハウスマネージャーに転職するに至る。
 前の週日記に「変身」について書いたときも、わたしは内多勝康さんを思っていた。

 本日受けとったのが、内多さんからのハウスマネージャー退任の知らせだったのだ(「もみじの家 ニュースレター」No.2320243月発行)。

 内多さんは、また変身するのだな。


314
 夕方、仲間たちとお酒を飲む。
 そのとき、お通しとして小ねぎのナムルが供された。

 その日の帰り道、小ねぎを求め、帰宅するなりナムルを再現。
 小ねぎは生のまま。4cmに切りそろえ、にんにく、塩、ごま油と和える。呑み会には、このような収穫もある。

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3年前に植えた「さくらんぼ  暖地」の
花が咲きました。
可憐。

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\うんたったラジオ36/

お久しぶりの熊谷です。最近どうしてました? 
能登に気持ちを送ることばに涙したふみこ。
母とのことを話す機会をもらったあずさ。
映画「パーフェクトデイズ」をシネマテーク高崎で観た自慢、など。

◆しごとバー「◯年後、なにしてる? 娘が親のしごとを考える編」
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2024年3月12日 (火)

午前4時

3月5日
「早寝早起き」をすすめられたり、「休日も朝ぱっと起きれば1日が充実しますよ」と案内されたりすると、そんなことをにこやかに発表していい時代ではないでしょう、と云いたくなる。……云わないけど。
 夜間仕事しているひとも少なくないし、深夜調子が出てくるひとも、ある。

 さて、近年、わたしは宵っ張りになっている。
「やや、午前4時になってしまった」
 なんて思うとき、子どもが学生だったころ、午前4時に起床していたことを思いだす。そうしてせっせと弁当をつくったり、朝ごはんの仕度、晩ごはんのの下ごしらえをしたり。軽い筋トレも、早朝ひとりでこっそりやっていたっけ。
 子どもたちが小学生のころなんか、午後8時に子どもとともに寝てしまい、午前2時3時に起きて、仕事をした。
 おもしろかったのは、子どもたちがずいぶん長いこと、わたしに職業があるのを知らなかったことだ。寝ている母ちゃん、食べている母ちゃん、台所で自分たちを巻きこんであと片づけをする母ちゃんしか見たことがないのだから、無理もない。

 気楽な母ちゃんだと思ってくれているらしいのは、うれしかった。
 まあ、気楽であるのにちがいはないが、ほんとうは必死で仕事もしていたし、うまくゆかなくて落ちこんだりしていたのだよ。

 早朝起床するのと、早朝就寝するのと、あまりちがいはないのではないかな、と思ったりする。
 そうだ、大好きな安住紳一郎アナウンサーがTBS朝の情報番組「THE TIME,」に登場する午前5時20分に、蒲団の国で目を閉じているというズレっぷりだけは、ちょっと考えもの。
 昼ごろ、「THE TIME,」の録画を観ていると、過去を生き直しているような気持ちになったりする。……全部観るけど。


310
「ブルーベリーの剪定してくるね」
 と夫が云う。
「いっていらっしゃい」
 ふり返って見ると、農業スタイル!
 帽子をかぶって長靴を履き、作業用メガネもかけている。メガネは紫外線、虫やら刈った草・枝やら除けだそうだ。
 今しがた机で、5月公開の映画(*)についてオンライン会議をしていたと思っていたのに。
 こういうのは「変身」と云ってもいいかもしれない。

 変身と云えば——。
 人生の鍵を「変身」が握っていると考えるようになったのは、「2007年に日本で生まれた子どもの半分は、107年以上生きることが予想される」という話を聞いたときだった。
 リンダ・グラットン氏(ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威)へのインタビュー「長寿の時代に『教育、仕事、引退』の3ステージの人生は通用しない」(2017323日/フォーブス ジャパンのウェブサイトより)についての話である。
100年ライフ」で重視される「目に見えない資産」として「変身資産」がとりあげられていた。
 わたしなりに解説すると、100年時代は、同じ調子で生き抜けるものではない。変身することを意識し、覚悟する必要がある。……ということになろうか。

 埼玉県熊谷市の夫の実家(農家)に移り住んでもうすぐ3年になる。
 これもわたしたちの「変身」であり、農業への挑戦、動植物との、虫たちとの、微生物たちとの交流は、再創造なる一面を擁しているのだ。


*「ゲバルトの杜——彼は早稲田で死んだ」(代島治彦監督作品)
出演/池上彰、佐藤優、内田樹、樋田毅、望月歩ほか
音楽/大友良英
短編劇パートの脚本演出/鴻上尚史
劇場公開が近づきましたら、またお知らせします。

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ブルーベリーに花芽がつきました。

昨年はあまり農業に携われなかったけれど、
ことしはがんばります!

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2024年3月 5日 (火)

正体不明

2月29
 東京へ。
 午前中から2時間ばかり、神保町で仕事をする。
 つぎの用事まで3時間アキがあることがわかる。
「映画観よう」
 新宿で降りて、歌舞伎町へ向かう。シネコンなら、ゴジラを肩にのせている東宝新宿ビル(8階テラス)の東宝シネマズが好きだ。新宿の歌舞伎町あたりを好きで馴れているということもある。
 ごった返しているなかにまぎれ込む、安心感がある。
 これぞ「多様性」とばかりに、国籍、性別年齢もさまざまな人びと、もっと云えば正体不明の人びとが、色とりどりの装いで歩いている。そんななか、わたしだって、見えているようには生きていないんだよなあ……、なんて思ったりする。
 ほんとうは誰もが正体不明の一面を持っていると、自らも正体不明の一面を持っていると、認めているひととはつきあいやすい。
 新宿の歌舞伎町にいるとほっとするわたしを知る友人知人がどのくらいいるだろうかなあ。

 で、映画館で当日のプログラムを見上げると、5分後にはじまる「劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」しかないことがわかる。大ヒット上映中の高校バレーボールアニメだ。
 もう一度「PERFECT DAYS」を観てもよかったのだが、それはかなわなかった。
「ハイキューか、これは運命だな」
 バレーボールは、チームの連携の濃いスポーツだ。傑出したスター選手がひとりでがんばっても点がとれない。
 レシーブ。トス。スパイク。
 これらが決まらないと、試合にならない。
 そうしてこれはあたりまえの話だろうが、ボールを床に落とさないことに賭けるスポーツだと、あらためて思い知り、しびれた。


3月1日
 教育委員時代、小中学校で校長をしていた4人(この日は全員女性/ひとりは現役)に、誘ってもらい、飲む。
 なんと光栄なことだろう。
 こんなふうに仲間として迎えてもらえるなんて……。
 皆、いまも忙しくそれぞれの役目を果たしていて、相変わらずカッコイイ。このひとたちは、聞き上手だ。
 骨身を惜しまず仕事に打ちこんでいるが、おもしろいのは、ひとに仕事を振り分けたり、任せたりするのがうまい。

「ああ、あれね。あのときは大変だったけど、せんせい方がみんな動いてくれたからね」
「まわりに恵まれていて、すべてそのお陰だったと思うの」

 東京都武蔵野市の教育委員を務めた8年間を思い返す。
 当時各学校を支えたひとたちは思いやり深く優秀で、あれは確かに私にとっても忘れられない時代だった。


3月3日
 昼を過ぎたころ、あ、きょう、ひな祭りだ、とこころづく。
「ちらし寿司をつくろう」

 夫にマグロの柵、アボカド、ボイルホタテを買ってきてもらい、酢飯の準備にとりかかる。ばら寿司をつくってみようと考えている。
 母からしこまれたのは、材料を酢飯に混ぜこんで、上に錦糸卵といくら、きぬさやの細切りをのせる「おちらし」だったが、いつか話に聞くばら寿しをつくってみたかったのだ。
 マグロの刺身。卵焼き。ホタテ(煮)。たけのこの(煮)。高野豆腐(煮)。アボカド……をすべて1cm角に切る。
 にんじんや干ししいたけを炊きこんで(混ぜ具)つくった酢飯をすし桶に、うちわであおぎながらひろげ、その上に、具材をならべてゆく(のせ具)。
 おお、にぎやかだ。

 おひなさま方と、夫と、ひな祭り。
 白ワインを飲む。

20240301  
3月の麦畑。
田んぼ一面が緑色。

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