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2024年12月の投稿

2024年12月31日 (火)

6日間の家出

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 熊谷の家から、ちょっとの間離れようと思った。
 不満があるわけではないけれど、年の瀬にあたらしい風を、自分のなかに入れておきたいという気持ち。

 自分のなかに……。
 風を吹かそう、換気しよう、ということを意識して過ごしてきた1年だったが、自分のことをあとまわしにする、もっと云えば忘れる一面があったと思う。自分のために、立ちどまる暇(いとま)がなかった。

 だが、今朝、「お、いまなら立ちどまれるな」と感じた。
 とつぜん旅に出ることはできなかったから、長女の梓に頼んで、梓の家に置いてもらうことにした。
 ノートパソコンを持ち、食べものを持ち、着替えも少しだけ持って。
 夫に何と云ったかというと、「いってまいりまーす」。

 こいつ、ちょっとの間、家出するつもりだなと、夫にはわかっていたと思う。


1224
 洗濯をする。
 梓の家の洗濯の流儀を、やっとのことでおぼえる。
 浴槽から残り湯を汲み、洗濯ものをネットに入れ、洗濯用の粉石鹸を溶かし、重曹と粉の漂白剤を加える。
 それともうひと行程あったはず……。
「そうだ、クエン酸投入だ」

 娘と云えども、いや、娘だからこそ、佳き「よそのひと」になりたいと希ってきたつもりだったが、洗濯ひとつとっても、まるで別世界だ。
 わたしは愛してやまない「よそのひと」とここで暮らすんだな、と自覚し直す。幾度となく泊めてもらってきたけれど、これまではお客さんだったようだ。
 11階のベランダに洗濯ものを干すのは、空に向かう感覚。空にひろがる雲と会話しながら、地面にひろがる光景にときめきながら、洗い上げたものたちをパンパンとやる。
 地面には働くひとたち、空中には働く鳥たち。

 梓は自分の仕事部屋で、わたしは居間でそれぞれ仕事。
 お互い、2024年の仕事納めに向けて、ねじりはちまきである。お互いの集中のつくり方にもちがいがある。
 梓は気を張って集中している。
 一方、こちらは、どこかを少し緩めながら集中。テレビにドラマ「天狗の台所」を流しながら、ノートパソコンに向かう。

 そういえば、ことしパソコンを買い換えるとき、ノートパソコンを選んだのだったな。それまでの3台は、デスクトップ型だったから、わたしは家の自分の机のほかで、仕事をしたことがなかった。
 これも、あたらしい風だったかもしれない。

 夕方、ふたりで4駅離れた街のスーパー銭湯へ。
 その前に、それぞれもうひと仕事である。スーパー銭湯近くのスーパーマーケットのなかの珈琲店で梓はコーヒーとともに、わたしはフードコートでゆず茶とともに仕事し、2時間後に集合の約束をする。

 梓の仕事内容はわからないが、こちらは、エッセイ講座のお仲間の作品を読む仕事。これを仕事と呼びたくないのだけれども、こころの構えは、仕事。

 1830 スーパーマーケットで買いもの——主たる買いものは、クリスマスの鶏を1羽買うこと。これを持参した保冷バッグに入れて銭湯へ。

 銭湯では、1時間のマッサージを受ける。
 2024年のこわばりを、白髪の紳士にほぐしてもらう。


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 昨日買った鶏に塩こしょうし、お腹にガーリックライスを詰める。
 これを、梓自慢のピースオーブンで、焼く。ピースオーブンにあこがれつづけてきたわたしを尻目に、さっさとピースオーブンをオークションで手に入れた梓さん、こんちくしょうでございます。

 ピースオーブンとは何か。
 ガス台に置いて使う、シンプルなオーブンである。
 現在は製造されていないが、中古品を手にいれる方法は幾とおりか、ある。問題は、現代のガス台の機能が高過ぎるところ。気を利かせて温度調節したり、消火したりされると、ピースは困る。オーブン底がないから、そも火がつかなかったりする(現代のガス台には、センサーが鍋底を感知しないと、火がつかない機種が少なくない)。
 しかたなく、カセットコンロをガス台に置き、その上にピースオーブンを置いて鶏を焼くこととする。

 夕方、家族集合。
 なんというか、このたびわたしたち、ジプシー家族である。


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 熊谷の家でもちつき。
 ああ、風がとおったおかげで、わたしは少しばかりあたらしくなって、ここにいる。

 やっぱり、この年の瀬の6日間は、ちょっとばかり家出だったのではなかったかな。


*****
 この広場を愛してくださる皆さん、2024年もたいそうお世話になりました。

 2025年も、ますますよろしくお願い申し上げます。
 広場にも、あたらしい風を。

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ピースオーブンでございます。

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\うんたったラジオ56/
絶賛餅つき中です。ダイチーと餅つき機「もちろん」が精を出しています。
暮れもおし迫るころですね。高島平では、ついに換気扇掃除をしたあずさ。
高島平に1週間ほど滞在し、窓拭きや掃除をしてくれたり、
ダメにしたカレーを処分してくれたふみこ。
2024年をふりかえり、みなさんの心に灯る詩を共有していきたい、など。
今年もたくさんお世話になりました。佳いお年をお迎えください。


◆ピースオーブンで鶏を焼きました(写真)
https://drive.google.com/file/d/1KWAjA7RU-qeXfHvRpcm9FIQ4aYGoieIn/view?usp=sharing


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2024年12月24日 (火)

答え合わせ

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「ニッポン移住者アワード2024」なるコンテストの選考委員をつとめるために、六本木へ。
 選考委員だからな、と思ってワードローブから上着をひきずりおろして着て出かける。下はデニムとチェルシーブーツだけれども。

 コンテストは、地方都市への移住によって、そのひとらしい暮らしと活動を実現したみなさんを表彰するのが目的である。本日は書類選考を通過してきた7組の本選考会。
 移住者のみならず、自治体職員によって実施されるプレゼンテーションを、まず受けとめる。
「移住」ってのは街なかから地方都市に移り住むことでしょう? そういう意味ではわたしだって「移住」しているしね、というざっくりとした意識でいたわたしにとって、1組につき8分間にまとめられたプレゼンテーションは……どれもこれも天の声のようだった。

 ① 茨城県ひたちなか市→さつまいもの栽培と干し芋づくり。
 ② 千葉県長生村→自然や生きものと触れ合いながら、養蜂をはじめる。
 ③ 長野県原村→乳児保育園を開園。
 ④ 三重県桑名市→地域の子どもたちに英語保育を提供。
 ⑤ 愛媛県伊予市→ゲストハウスをはじめ、地域商社を立ち上げる。
 ⑥ 佐賀県有田市→町全体を百貨店に見立てた取り組み。
 ⑦ 宮崎県宮崎市→女性特有の悩みに寄り添う取り組み(吸水ショーツ)。

 発表の皆さんは前向きで、自分の手をのばして誰かの手に触れようとし、何かをつかもうとしている。
 まいったな、と思う。
 自分が仕事と折り合いをつけながら、ちょこまか動いているような気にさせられての、まいったな、だった。いろんなものをいただいて、まるで自分自身が表彰されたような心持ちだ。
 表彰のなかみは、賞状やクリスタルのトロフィーじゃなく、宿題。


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 東京での仕事をふたつ終えたのち、神保町で呑む。
 千葉県出身の主人が営む、千葉県いっぱいのお店。

 なめろう、おいしかったな。
 小鯵の素揚げ、もっともっと、もっと食べたかったな。
 おでんも素敵だったな。

 いっしょに呑んだ3人のうち、ひとりはお酒を呑まないひとだか、こんな時間を共有できることは、ありがたい。それぞれなめろうに舌鼓を打ち、おでんを褒め……、そうだ、さいごにおかかとわさびをちょんとのせて(おしょうゆを少し。ほんのほんとうに少し)、食べたご飯。あれは夢のように口のなかで溶けた。
 千葉のお酒、どれもきりりとして好きだった。
 お酒を呑まない友人は、店主が漬けた甘くない梅のシロップを4杯も飲んでいた。3人それぞれ好きなものを飲みながら、控えめに本音を目の前に置く。それを箸でつまみあげながら、そっと味わうのだ。

「お酒って、ひとをつなぐよね。呑めるひとがうらやましい」
 と梅シロップで唇を湿らせながら、友人が云う。
「お酒だけじゃない、あなたは、自転車でつないでるでしょう」
「え、来年、自転車のレースに出ますか?」
「うーん、考えておくね」


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 長女の梓と小中同級生の巧望(たくみ)の家族が、うちに遊びにきてくれた。

 なつかしさから、へんてこな思い出話を連発したりして、気持ちのわるい妖怪婆さんになりかかったり、ほんとうにそうなっちゃったりしながら、ひとときを過ごす。
「梓のこと、学校でやっと名前を覚えたくらいのころ、山梨県の富士吉田のスーパーマーケットで偶然会ったよね。……え、忘れちゃった? ぼく、あれが梓とぼくが、ふんちゃんたちとうちとが、仲よくなったはじまりだと思ってるんだ」
 記憶はときどきあいまいになるけれど、ごく細かいことがあふれかえったりもする。

 巧望の横顔を盗み見ながら、「答え合わせ」ということばがふと浮かぶ。
 むかしむかしのことが、現在につながる不思議さである。正解であります、残念、不正解でした、なんてはなしではない。
 ときどき、むかしといまが直結して、生きるよろこびを知るというかね。

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うちの田んぼは、いま、こんなです。
麦の芽が出てきました。
いっぱい、いっぱい。

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2024年12月17日 (火)

クリスマス マーケット?

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 午後3時、横浜のホテルで待ち合わせて、4人があつまる。
 長女梓、二女梢、三女栞と、わたし。

 先週のことだった。
 手帖を見ると「1211日と12日の欄に、クリスマスマーケットin横浜」と書いてある。どう見ても、わたしの文字なのだが、書いた覚えがない。
 今週に入って、手帖の予定表にある「クリスマスマーケット」なるコトバを見て、ぎょっとした。新手のイベント仕事だろうか、なんだこれは? またしてもブックマーケットか? とうろたえて、まずは梓に訊く。
「ね、1112日、ブックマーケットに参加するんだっけか」
「そりゃ、横浜のクリスマスマーケットに、女4人で参加して1泊するのよ」

 そう云えば、誰かに横から「ここに、クリスマス○○○○と書いて」と云われて書いたような……気がする。
 娘たちが計画して誘ってくれた1泊旅を、わたしは上の空で聞いたのだった。

 クリスマスマーケットって何?
 調べることもしないで、夕方、横浜の赤レンガ倉庫出かけると、平日の夕方だというのに、けっこうな数のひとが列をなしている。
 クリスマスマーケットは、ドイツ発祥なんですって。
 クリスマスのグッズ、それからドイツ的ドリンク&フード——ビール、ホットワイン、ソーセージ、フライドポテト、ドネルケバブ、カトフェルプファー(じゃがいもをパンのようにして揚げ焼きにする)が、露店にならんでいる。
 わたしひとりでは、決して行き着かぬ「ここ」だなあ、と思いながら、あたりをぐるっと見渡す。薄い布がかぶさるように、静かに闇が降りてきた。

 ホテルでそれぞれ寝転がったり、かわるがわるお風呂に入ったり。
 そしてそして「プレゼント交換」の、そのときがやってきた。何が何だかわからないまま、横浜まできたけれど、娘たちに告げられた「プレゼント交換/2,000円まで」は、ぎりぎり守った。
 大あわてで店をまわりながら、2,000円という制限のむずかしさを突きつけられる。でもね、わたしにも実現できそうなプレゼント分野をみつけた!
 書店です!
 巾着袋990円也、文庫本『三つ編み』(レティシア・コロンバ二/齋藤可津子・訳/早川書房)1,078円也——68円余った!

 ・ふわふわ腹巻き(ポケットにカイロを入れることもできる)/栞
 ・手ぬぐい/梓
 ・着る毛布/梢

「あみだくじ」によってわたしのもとには「ふわふわ腹巻き」がやってきた。わたしのプレゼントは、梓のもとに。
 学生時代にした「500円プレゼント交換」以来、この苦心は。


1212
 中華粥やら、焼売やら、焼きもの、煮もの、サラダやら……、ホテルの朝食バイキングを堪能して、徒(かち)で中華街へ。
 散策、散策、散策。
 4人ならんで「足つぼマッサージ」を受けて、解散。
 なんだか、わたしららしい1泊2日のちいさな旅は、そっと幕を閉じた。


1213
「ふみ虫舎エッセイ講座」ことしさいごの公開講座。
 きょうのおみやげ——おみやげと称して、毎回「活字」をコピーして、皆さんにお渡ししている——は『ロックで独立する方法』(忌野清志郎/太田出版)のなかから「自分の声なんか大嫌いだった」の項から。
 コンプレックスが「個性」となって働く実感が描かれていて……なんというか、すごく勇気づけられたから、ここを選んだ。
 皆さんと、東京新橋の居酒屋でちょっぴり飲んでから、帰る。

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クリスマスマーケットの、ツリーです。
皆さん、素敵なクリスマスを。

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2024年12月10日 (火)

静かにたのしげに

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TOKYOあーあBOOK FAIR 」初日。
 東京都現代美術館で開催されるTokyo Art Book Fair——国内外から約300組の出版社、ギャラリー、アーティストが集まり、アートブックやZINE(*ジン)を紹介、販売する——の向こうを張って2日間行われる「TOKYOあーあBOOK FAIR」の、山本梓とともに出店する。
 梓は常連だが、わたしは初参加で、幾分緊張。
(*ZINE : 小規模なグループによって作られる出版物)

 朝8時半に、荷物をごろごろ引っぱったり、担いだりして梓の家を出発し、浅草橋に向かう。浅草橋に近づく地下鉄のなかで、梓がわたしに顔を向ける。
「いやだ、1時間まちがえた! 早過ぎて、会場に入れないな」
 あらま。このひとにも、こういうところがあるんだな。
「カフェで、モーニング食べようよ」

 カフェをみつけて、店内へ。
 ほら、昔よく見かけた担ぎ屋(行商)のおばさんみたいな、わたしたちだ。担ぎ屋のおばさんは、大きな竹籠いっぱいの産地の野菜や、特産物を背負って、行商する(東北地方、北関東から東京への行商が多かったのではなかったか)。
 あの仕事は、もう消えたのか。
 いいや、消えていない。いまのわたしたちがそれだ。担ぎ屋母娘。
 ホットサンドを齧り、コーヒーをすする。
「この時間よかったね。モーニングタイム」「緊張していたから、ありがたかった。朝、ずいぶん早く出発するんだな、と思ったけど、それを云わずにいてよかったです。こういうのは失敗じゃなく、プレゼントね」

 2/3畳くらいのスペースに茣蓙(ござ)を敷き、運んだものを並べた上ふたりが坐る行商スタイル。狭い。
 出店者たちは、ここで、本来の職業からちょっとはみだしたり、ちょっとどころではなくまったく異なる分野の活動を披露しているのだ。ひとりひとりが、静かに、そしてたのしげに内面が発露。内面に秘めたエネルギーか。


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TOKYOあーあBOOK FAIR 」2日目。
 余裕が出てきたから、会場のあちらこちらでおしゃべり。

 おとなりのブースのバタコさんがにじり寄ってきて、云う。
「さっき、熊谷っていうコトバが聞こえたんですけど、熊谷って何ですか? 埼玉県熊谷市のことだったら……、わたし、熊谷に住んでいるんです。きょうも、熊谷から車できました」
「ええっ?」

 来年、熊谷で遊ぶ約束をする。

TOKYOあーあBOOK FAIR 」のエネルギーに揉まれて、洗われた、そんな2日間だったな。

「ふみ虫舎」のブースめがけて来てくださった皆さん、どうもありがとうございました。


12月4日
 夫が自分で書いたものを見せにきた。
「これ、読んでみて」
 2025年にはじまる「『深谷シネマ』映画教室」の案内の原稿だそうだ。

 ドキュメンタリー作家の映画を上映し、作家が履きつぶした靴に自分の両足を入れるようにして、無名のひとびとの「戦後80年」を歩いてみる。「歴史を閉じる」動きに対して「歴史を開く」ことで抗う。そんな教室にしたい……。

 あら、この教室、わたしも通いたい。
「ね、だいちー、すごくいいと思うけど、『無名のひとびと』なんていない。そこだけ、『その時代を生きたひとびと』にしたらどう?」

 名前って大事だもの。
 名前を持たないひとは、いない。
 名前を持たない花も、ない。
 名前を持たない……。

「そうだね。ぼくは、歴史上の人物、たとえばナポレオンのことばかりが描かれるというのじゃなくて、と思ったんだ」

 それは、ほんとうに、そうね。

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ほら、こんな袋も使って、
担ぎ屋母娘は、東京都内を
歩きまわっていたのですよ。

稲刈りのとき、籾を入れる袋です
(籾をいっぱいにすると、30キロになります)。

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\うんたったラジオ55/
ちょっと風邪をひきました、あずさ。
TOKYO あ〜あ BOOK FAIR(TあBF)ってこういうことだったのね。
ふみこさんのエッセイ講座に参加して、あずさが書いた記事を題材にしてもらい、
エッセイのお仲間からたくさんの感想が。
ことばの固定化、関係性の名前は“やわ”でいきたい、など。


◆木下ようすけ(TあBFでお隣のブースだった)
https://www.instagram.com/kinoyoyoyo/
◆Peanuts Butter Signs(こちらもお隣で、まさかの熊谷からいらしていた!)
https://www.instagram.com/peanuts_butter_signs/
◆フニラさん(整体+占いを施術してもらった)
https://www.instagram.com/funira_magical/

◆『pathports -あなたにとっての自由を探そう』(村瀬孝生さんの記事を書いたフリーペーパー)
https://note.com/freee_kojin/n/n8b3f8dbe8d03

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2024年12月 3日 (火)

純粋であるということ

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「家族の皆さんの、仲がいいのに秘訣はありますか?」
 というような質問を、ときどき受ける。
 とくに仲がいいわけでもないだろうけれども、ひとりひとりの性質、得意分野(不得意分野も)がまちまちであるところ、お互いをチームとして認識しているところが、そんなふうに見せるのかもしれない。

 それから、皆、ともかく歩く。
 時間がぽっかりできたとき、相談したり報告したりしようというときも、気がつくと、歩きやすい靴に足を入れてならんで歩きだしている。

 きょうは栞と、散歩。
 三女の栞とわたしも、目が合うと歩きだすというほど「歩きたがり」である。ところが栞がカナダ・バンクーバーで暮らすようになってから、ならんで歩く機会は減った。
 ときどきオンライン散歩することもある。時差があるからときどきだが、バンクーバーのダウンタウンの街並みを感じられるまでになった。

 カナダグース(カモ)は、大きいなあ、とか。
 きょうも、皆さん、ビーチで思い思いに過ごしているなあ、とか。
 サンセット、うつくしい! とか。
(そして気温がちがう。夏熊谷40度近いとき、長袖のパーカーを着ていた。……20度だって。「夏のあいだ、そちらの気温は知らせなくていい」と叫ぶわたし)

 10月栞が一時帰宅してからは、うれしやふたりならんで歩いている。
 熊谷の田園地帯はのどかだ。この季節は、北に赤城山の連峰がくっきりと見える。埼玉県北ならではの風景。
 農家の前に箱があり、なかに大根が立っている。
「1本100円」
 葉つきの立派な大根を抱いて、帰る。

 そういえば、このところ、菜飯ばかり食べている。


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 午前6時まで仕事をして、誕生日の朝を迎える。
 2024年をふり返るのはまだ早いかもしれないけれど、ことしは、全体として睡眠時間が短かった。することがたくさんあった、ということもあるけれど、それだけではないような気がしている。
 眠りの国(わたしは「蒲団の国」と呼んでいる)で過ごす時間を減ったことで何かをつかめ……と促されていた。
 2025年は、蒲団の国で過ごす時間をふやしたい。

 誕生日のきょう、2時間眠って、東京・新橋のエッセイ講座に出かける。
 夜は、夕方、皆さんにお祝いをしていただく。にぎやかな誕生日をどうもありがとうございました。


1127
 119日放送「ETV 特集 山田太一からの手紙」の録画を、やっと観る。
 脚本家・作家の山田太一が、仕事仲間、友人知人に残した手紙を紹介しながら、手紙を受けとった本人へのインタビューでつくられた番組だ。

 やっぱり手紙はいいなあ、としみじみ思う。

 若き日の山田太一作品を観て、「必ず返すから脚本を写させてください」とたのんだという井出隆久氏(マンガ家・脚本家)のはなし。山田太一は感激して、こう書くのである。

「ちゃんとみてくれるひとがいる。見過ぎ世過ぎで書いてはいけない」

 耳のなかに、こびりついた。
 山田太一の「純度」をあらためて知る思いだ。
 1113日に、詩人の谷川俊太郎が亡くなったときにも、この世からおおいなる「純粋」が消えた、と思った。

 2025年、蒲団の国で過ごす時間をふやしたい、とわたしは思わず書いたが、2025年の第1の目標は、これだ。

「純粋」をとりもどして生きたい。

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ようやく麦まきが終わりました。
途中、田んぼの夫からわたしのスマフォに
こんな写真が送られてきてどっきり。
「田んぼの出口の坂道を登ろうとしたら、
種まき機を連結した後部が重くて……」

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