アップルパイ
3月19日
八幡神社御祈禱神璽 2
高城神社御祈禱之神璽 1
長井神社大前御祈禱神璽(祈武運長久 1
三峯神社盗賊除御守護 5
三峯神社火防御守護 4
榛名神社御祈禱御札 3
榛名神社嵐除 9
成田山不動院御祈禱寶牘 3
奉◾️不動尊鎮火防盗之牘 2(◾️判読できず)
息栖神社天津祝詞太祝詞◾️ 1(◾️判読できず)
戸隠神社御祈禱之璽 1
香取神宮カ家難除神璽 1
鹿嶋神宮神璽 1
おもて側の玄関扉上方に、小さな社(やしろ)があって、おそらくお札(ふだ)が納めてあるのだと思っていた。思ってはいたがなかを見ることもないまま、4年近くが過ぎた。
近所のお当番さんが持ってきてくださった「八幡神社御玉串」のお札は、そこへ納めるのじゃないかと、夫が云いだし、「そうなの?」と軽く応える。
しばらくして土間へ行くと、古いお札がたくさんならんでいた。小さな社に向かって脚立をかけてなかにあるものをすっかり出したのだそうだ。
「戦前のものばかりだよ。、親父とおふくろの代には手つかずだったのかもしれない」
と云う夫と、お札の行列のあいだに割って入り、眺める。
なるほど、永遠(とわ)の武運を祈願する古いお札も混ざっている。
「盗賊除け」「嵐除け」「火除け」というのもあって、家難の及ぶのを防ぐため、こうしておもてにお祀りしたものと思われる。
この家が建った明治元年(1868年)、普請の途中で火事に遭った記録が残っているというはなしをちちははから聞いたことがある。「火除け」=火防のお札がたくさんあるのもうなずける。
古いお札との対面は、しきりに歴史を思わせる。
この家に住んでいたひとたちと自分とのつながりのあかりが、ぽっと胸のなかに灯るようだ。
誰にともなく、訊いてみる。
「近く、鉄製の火鉢のなかで燃やそうと思いますが、よろしいですか」
3月20日
仕事仲間が4人やってくる。
30代から40代はじめの若いひとたち。
実際にともに仕事をしているのは2人で、その夫人と、夫君を加えた4人というメンバーである。
よくやってきてくれたなあ、と思う。
散歩がてら近くのうどん店(「田舎っぺ」本店)まで歩いて、いまやみどりの麦畑となっている田んぼをっ見てもらったり、畦道のホトケノザの群生を褒めたり、のどかな日となった。
「のどか」が生じたのは、どう云えばいいのか、「気」のそろった4人であったからのようだ。おだやかで、考え深い4人の「気」につられて、わたしも常よりも幾分落ちついている。はしゃごうとする「気」は退いて、わたしをよく知るひとが見たら、「あら、お静かな」と笑うかもしれない。
てくてくもどって、お茶の時間に、おもたせのアップルパイをいただく。ノリコさんお手製のものである。パイ皿の上に坐る菓子は、きれいに8等分されている。誘い気のない佇まいだ。ただ、そっと立っている。そこがいい。
しばらく皆で鑑賞する。
ひとくち食べて、驚く。
妙なるアップルパイ。
このアップルパイをまた食べられるように、なんとかしなくちゃ。……という心持ちです。
忘れられないアップルパイです。
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