こんなはずじゃなかった
6月16日
朝から暑い。
湿度が高く、外に出ると、からだが蒸されるようだ。
「夕方には、水やりをするからね」
庭の仲間たちに、声をかける。
約束どおり、夕方、庭に盛大に水やりをしようと、一歩庭に踏みだして驚く。
玄関前の、2鉢の真紅のゼラニウムが、見る影もないほど、萎(しお)れている。
「待ってて、待ってて」
そう云いながら、巻きとり式のホースを、ぐるんぐるんとひき出す。「緊急事態、緊急事態」と、脳内で何かが鳴いている。
ホースをひっぱって、勢いよくゼラニウムに水をやる。
水を吸収してたちまち萎れが解消、とはならず、こちらも萎れたくなる。いや、ヒトだってことしはじめの熱風にやられて、萎れはじめているのかもしれない。水を飲んだり、ごはんを食べたり、部屋を涼しくしてぐうぐう眠ったりできるから、目の前のゼラニウムのようにはならないけれども。
この夏を、萎れないで生き抜きたい。
こころを瑞瑞しく保って。
夜中、心配でゼラニウムの様子を見ると、まだ、ぐったりと萎れている。
6月19日
ゼラニウムが萎れた日の翌朝、玄関の引き戸を開けて、ゼラニウムの方向を見た。おずおずと。
すると、もとの元気な様子にもどっていた。
それから毎日、様子を見ないではいられない。
ゼラニウムは、この夏の信号灯となる。
田植えが本格的にはじまる。
苗箱運び。
苗作りの田んぼから、田んぼへ苗箱を配るのだ。そこから田植え機に苗箱を積む。
朝うろうろしていると、8時半、東京に住む友だちが門のところに立って、こちらを覗きこんでいる。
「マキコちゃん」
きょうの働き手は、マキコちゃん、遊菜・萌姉妹、梓、Daichii。わたしは「ふみこ食堂」。
ご飯(玄米と白米)
春雨とにら、にんじんのスープ
豚ひき肉の串団子
中華もやしサラダ
小松菜と油揚げの煮びたし
きゅうりの即席漬け
昆布のつくだ煮
ところが、この日の夜「ふみこ食堂」のふみこさん、ダウン。こんなはずじゃなかった、と思う一方、こういうこともあってもいい……と自らに云い聞かせる。結局、2日間ベッドで休養。
「こんなはずじゃなかった」を編み直しながら、ぐーぐー眠る。
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